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2023 年度 実績報告書

ブラジルの不良住宅増加要因の分析と金融包摂の視点による解決の展望

研究課題

研究課題/領域番号 18K11810
研究機関横浜国立大学

研究代表者

山崎 圭一  横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (10282948)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワードブラジル / 住宅政策 / 公営賃貸住宅 / 公営分譲住宅 / 不法占拠 / 土地所有の合法化 / 公的住宅ローン
研究実績の概要

2023年9月にブラジルへ現地調査におもむき、連邦政府都市省住宅局、ブラジリア都市整備住宅供給公社(CODHAB)、サンパウロ大学法学部住宅研究チームなどを訪問し、取材した。その成果は、「新ルラ政権下の住宅金融政策の現状と課題」として、ラテン・アメリカ政経学会2023年全国大会の「自由論題セッション1:ブラジルの産業・経済・政策」(11月25日 開催校:東洋大学)において発表した。提出したフルペーパーは学会ポータルサイトにいて一般公開されている:https://sites.google.com/view/jsla2023
今回の調査で明らかになったことは、第1に、ブラジルでは公営(連邦、州、市町村による)賃貸住宅供給の政策がないことである。そのため、公営の賃貸住宅は存在していない。見た目は、そのようにみえる公営の集合住宅団地は各都市の随所にあるが、すべて分譲住宅である。この公営賃貸住宅の欠如が、ブラジルの住宅政策の最大の欠陥であり、ファヴェーラといった貧困地区が解消しない最大の要因であることを、確認した。第2に、おもな政策は公的な住宅ローンによる持ち家購入の促進であるが、その場合も、住宅価額の一部を補助金で支援していることが判明した。第3に、公的な分譲住宅団地の1つを視察した。ブラジリアにある事業で、9000戸近い規模で、日本最大の公営団地(日本の場合はほとんど賃貸住宅)と同様の規模である。第4に、公営賃貸住宅の欠如を問題だとみる研究者もいて、実際に行政側でも、その提供を模索する動きがあることが判明した。具体的には災害時に限定されるが、公営の賃貸住宅を災害被害者に提供する「locacao socialという事業があり、その期限を延長して恒久化する取組みが、サンパウロ市で開始している。このように住宅政策の欠陥が認識され始めているが、取組みの規模は小さいという段階である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 「第三期ルーラ政権の始まりと日本」2023

    • 著者名/発表者名
      山崎圭一
    • 雑誌名

      『ブラジル特報』

      巻: 1675 ページ: 6-7

  • [雑誌論文] 「ブラジルから視る多極的国際秩序の可能性」2023

    • 著者名/発表者名
      山崎圭一
    • 雑誌名

      『経済科学通信』

      巻: 157 ページ: 26-29

  • [学会発表] 「新ルラ政権下の住宅金融政策の現状と課題」2023

    • 著者名/発表者名
      山崎圭一
    • 学会等名
      ラテン・アメリカ政経学会

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公開日: 2024-12-25  

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