研究課題/領域番号 |
18K11815
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
三上 了 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (10386708)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 開発援助 / 参加 / アラインメント / 持続可能性 |
研究実績の概要 |
2019年3月から4月にかけて、予定通りウガンダ国ムコノ県ンテンジェル郡キソガA区とB区の192世帯を対象にベースライン調査と介入を行い、4か月後の8月にエンドライン調査を行った。 測定したデータは二変数分析と多変量解析の二段階でおこなった。ます二変数分析では生存(持続)曲線の比較とその差のログランク検定を行った。その結果、参加とアラインメントを同時に適用した場合、持続性は落ちることが判明した。参加もアラインメントもしない場合と比べて2週間後ですでに持続率は13.2%低くなり、さらに4か月後では差が34.7%に広がる。ログランク検定の有意確率は 0.017であった。この負の効果がどちらに由来するのか調べたところ、アラインメントの効果であることが判明した。非参加型でアラインメントのみした場合、アラインメントしなかった場合よりも持続率は2週間後に20.9%、4か月後には27.0%低くなる。ログランク検定の有意確率は0.004であった。これに対し、参加型にすることは、アラインメントしていた場合もしてない場合も、非参加型に比べて、持続率は二週間後で3%、4か月後でも8%しか差がなく、符号の一貫性もなかった。ログランク検定の有意確率は、アラインメントしていた場合で0.881、していなかった場合は0.811であった。 多変量解析の結果も、二変数分析の結果と同様であった。まず、ブロック・ダミーやその他の制御変数を加えても加えなくても、参加とアラインメントの交差項の偏回帰係数は統計的に10%レベルですら有意でなく、参加の係数も一貫して統計的に10%レベルですら有意でなかった。これに対して、アラインメントの偏回帰係数は、交差項を加えても加えなくても、あるいはブロック・ダミーやその他の制御変数を加えても加えなくても、一貫して持続性を損なう統計的に5%レベルの有意な効果を持っていることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の通り現地調査は修了し、データ分析も終了した。2019年11月には現地でdissemination seminarも行った。現在は研究成果の学会発表、論文投稿の準備を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
分析結果を国内の学会で報告する予定である(当初海外での報告を予定していたが、Covid-19の影響で渡航が困難となった)。また、英語論文として査読付きの国際的なジャーナルに投稿する予定である。
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