本研究は、ハワイ州に生息するアクシスジカを事例に、野生動物の新たな資源化と地域社会の関係性に焦点を当て、1.「環境ガバナンスと資源管理に関する理論的研究」、2.「フィールドワーク」、3.「調査地への研究成果の還元と応答」の3つを柱として、資源利用をめぐる社会動態を分析する。それによって、野生動物保全と資源管理に対する考察をおこなった。 アクシスジカは島民にとって貴重な生活資源であるとともに、ハワイ先住民の権利復興のアイコンとして活用されていることが明らかとなった。また、アクシスジカの個体数調整とスポーツハンティングが活発化しており、住民による利用との軋轢に着目した社会科学的分析が今後も必要である
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