研究課題/領域番号 |
18K11835
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研究機関 | 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所 |
研究代表者 |
齋藤 純 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター中東研究グループ, 研究員 (80450550)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 労働者送金 / 直接投資 / 湾岸アラブ諸国 |
研究実績の概要 |
新型コロナウイルスの影響で、当初予定していた現地調査が不可能になった。そこで前年度からデータ収集を進めていたヨルダンのケーススタディを行い、研究レポートとした。
ヨルダン経済の困難は、貿易や海外からの投資や援助といった海外資金に依存していることに根本的な原因があり、これらの外部資金を確保し安定的に拡大することがヨルダンの持続可能な経済成長のための条件となる。中東地域においては、ヨルダンと長年経済関係を持ち、近年主要な外部資金源となっているのはサウジアラビアやアラブ首長国連邦(以下、UAE)をはじめとするGCC諸国である。fDi Intelligence社 のデータによると、グリーンフィールド投資の分野では2003-15年に総額434.6億ドルの投資が行われたが 、このうちGCC諸国の金額は合計で214.8億ドルと49.4%を占めた 。同期間にヨルダンに投資を行った主要企業には、アブダビの不動産投資会社Al Maabar International(109億ドル)、ドバイの政府系不動産開発会社Emaar Properties (14億ドル)などが挙げられており、GCC諸国の対ヨルダン投資は不動産分野が中心的な分野と言える。また、ヨルダンは国内市場が小さく労働需要も限られるため、海外へ多数の労働者を送り出している。それに伴い、就労先の国からヨルダンに多額の資金が送金される。この労働者送金がヨルダンの家計を支えている。2017年の海外からの労働者送金総額は44.2億ドルであり、GDPの10.9%を占める。労働者送金の送金元はサウジアラビアとUAEが中心であるが、GCC諸国からの送金額は送金総額の約70%を占める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現地株式市場の株価データを一括で購入するためには、高額の支出が見込まれ研究予算を超過する。トマソンロイターなどの商用データベースとの短期契約など、株価データの入手を検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの流行の影響で、予定していた南アジア・中東諸国での現地調査が不可能になった。実施期間を1年間延長したが2021年度の現地調査も難しいとみられる。代替案として民間の株価データベースの購入を検討し、分析を行うことを企画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス流行の影響で予定していた現地調査が不可能になったため、予算を2021年度のデータベース購入に充てる。
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