研究課題/領域番号 |
18K11836
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館 |
研究代表者 |
野嶋 洋子 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, アジア太平洋無形文化遺産研究センター, 室長 (50586344)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 無形文化遺産 / 自然災害 / 火山災害 / バヌアツ |
研究実績の概要 |
本研究は、バヌアツ北部において近年の災害によって被害を受けた地域を対象に、その災害が、地域の人々の無形文化遺産の実践や継承にどのような影響をもたらしたか考察するものである。 2021年度は最終の現地調査を実施するとともに、その過程において現地の研究協力者・地域住民と協力して具体的な無形文化遺産保護・活用計画を考えるためのワークショップを実施する計画であったが、長期化するコロナ禍の渡航制限により、再延期せざるを得なくなった。この間、現地研究協力者と定期的に連絡を取りつつ、コロナ禍における無形文化遺産の実践や、2020年4月にバヌアツ北部を襲ったサイクロン・ハロルドの影響などについても、可能な範囲で情報収集を進めた。 これまでに調査したガウア島およびアンバエ島の火山災害による被災とその後の復興過程における無形文化遺産の状況については得られた情報の整理と分析を進めた。年度内には報告及び論文としてまとめる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19の世界的感染拡大が長期化したことで、調査対象国の入国制限が継続した。現地協力機関の研究者と定期的に連絡をとりつつ、現地の状況把握に努めていたが、今年に入って市中感染が発生する事態となり、年度内の調査実施は困難となった。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍により延期となっている現地調査に関しては、現時点では調査対象国側の入国制限が継続しているため実施が困難な状況が継続しているが、周辺国が入国制限緩和や撤廃の方向に動いていることから、今後の状況を注視しつつ、入国が可能となれば年度後半で最終の現地調査を実施したい。 また、2018-18年度の現地調査で得た情報の整理・分析も進んだため、現地協力者と共同で報告書および論文としてまとめる計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
計上した予算は、主として現地調査およびその準備等に係る経費であるため、現地調査実施が確定できない段階での執行は控えたため。2022年度中に現地調査費用として執行する予定である。
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