研究課題/領域番号 |
18K11856
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
後藤 和子 摂南大学, 経済学部, 教授 (00302505)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 文化観光 / ミュージアム / 博物館法 / ミュージアムの定義の変更 / 博物館財政 / 文化政策と観光政策の政策統合 |
研究実績の概要 |
2020年度は、フランスで開催される国際文化経済学会大会で研究発表を行う予定であったが、新型コロナウイルスのパンデミックのため、学会大会が延期された。また、国際比較研究のため、ヨーロッパの大学を訪問する予定もあったが、それも不可能になった。 国際比較研究にとって、海外渡航が制限される状況は、大変厳しいものがある。そうした中で、2020年度は、ICOM(国際博物館会議)でミュージアムの定義の変更について引き続き議論が行われている状況や、日本においても、博物館法の改正について文化庁で検討が行われている状況を踏まえ、ミュージアムの役割の変化に焦点を当て、文化政策と観光政策の政策統合について研究を行った。 研究成果は、いずれもオンラインで開催された文化経済学会<日本>の年次大会及び国際文化政策学会(The 11th International conference on cultural policy research、以下ICCPR)で発表した。発表タイトルは、「ミュージアムの財政分析―ミュージアムの定義の変更とその財政的裏付けをめぐって」(文化経済学会<日本>)と、「What will changing the definition of "museum" affect museums?-A case study of Japan」(ICCPR)である。 前者では、ミュージアムの定義の変更により、ミュージアムの社会的・経済的役割(観光を含む)が拡大しようとしている中で、日本の博物館がそうした<役割の拡大>に対応して活動を広げるための財政的裏づけを持っているのかどうかを検討した。 また、ミュージアムや文化的景観を社会資本と捉える論考を、共著『現代社会資本論』(執筆分担は、第9章「文化・観光と社会資本―私的セクターが担う社会資本」(p199~p222)の中で執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナのパンデミックにより、国際比較研究のための海外渡航が制限され、また、国際文化経済学会大会の1年延期により、研究発表や情報収集の機会がなくなり、研究に支障が出た。 具体的には、研究協力者から専門的知見の提供を受ける機会がなくなり、実際にヨーロッパを訪問して、文化政策と観光政策の政策統合に関する先進地を調査する機会がなくなったことは、研究の進捗にとって阻害要因となった。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、国際文化経済学会大会が、フランスの大学を拠点としてオンラインで開催予定のため、それに向けて準備を行う予定である。海外渡航が制限されている中でも、オンラインを活用した海外研究者との共同研究は進めるつもりであるが、実際にヨーロッパを訪問して、現地で情報収集を行い、それを踏まえて国際比較を行うことは困難である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナのパンデミックにより、フランスで予定されていた国際文化経済学会大会が1年延期になった。また、国際比較研究のため訪問を予定していた海外への渡航ができなかった。国内においても緊急事態宣言等により東京その他の地域への移動が制限され、現地を訪問して行う予定だった国内調査も行うことができなかった。 国内の学会もオンラインになり、旅費の支出がなくなったため。支出を予定していた研究費の使用ができなくなった。
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