研究課題/領域番号 |
18K11856
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
後藤 和子 摂南大学, 経済学部, 教授 (00302505)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 伝統工芸 / 伝統的工芸品 / 無形文化遺産 / 海外展開と輸出 / 打刃物 / 工芸エコシステム / 産地の構造変化 |
研究実績の概要 |
2023年度は新型コロナ感染症の影響も弱まり、国際旅行需要が回復した年であった。新型コロナ感染症でオンライン開催となっていた国際学会も再開された。 2023年6月27日~30日に米国のインディアナ大学ブルーミントン校で開催された第22回国際文化経済学会大会に参加し論文発表(共同発表)を行った。論文のタイトルは、「Creativity of crafts; How and why the agglomeration of craftspersons and small businesses stimulates innovation in crafts industries」である。 伝統工芸の技は無形文化遺産となっており、文化政策の観点からその保護が行われているが、伝統工芸の製品作りは産業でもある。特に、日本の伝統工芸は、品目ごとに産地を形成し、原材料の調達から販売までを産地の協同組合等が担ってきたのが特徴である。しかし、 1980年代以降、生産高も職人数も減少の一途をたどっている。そうした中にあって、2010年頃から、輸出と生産高を回復してきた品目がある。刃物がその1つである。本発表は、統計データの精査と兵庫県三木市(大工道具)・小野市(鋏)、越前市のタケフナイフビレッジ(調理用包丁)の現地調査から、海外展開の重要性や文化観光との連携の可能性を探ったものである。再生してきた産地では、新たなプレイヤーが参入し、輸出等の海外展開とともに産地の構造も変化していくことが分かった。 タケフナイフビレッジには、もともと海外から包丁の注文に訪れる外国人もいたが、北陸新幹線開通により観光との連携の可能性が大きくなる。工芸と観光の連携に向けて福井県、石川県、富山県エリアで準備が進められていることを、調査等で知ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルスの流行により制限されていた現地調査や、国際学会が開催されるようになったため、2023年度は遅れていた計画を実行することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、本研究プロジェクトを完了する予定である。観光政策と文化政策の政策統合のあり方に関して、国際比較を踏まえて研究のまとめを行いたい。 2024年度にポルトガルで開催される国際アートマネジメント学会に参加し、日本より先にオーバーツーリズムの問題を経験した欧州が、どのように文化と観光の融合を図ってきたのか調査してみたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の影響で、学会がオンラインになったり、現地調査に行くことができなかった状態が数年続いたため次年度使用額が生じた。次年度はポルトガルで開催される国際学会に参加して研究費を使用する予定である。
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