研究課題/領域番号 |
18K11873
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研究機関 | 千葉商科大学 |
研究代表者 |
山田 耕生 千葉商科大学, サービス創造学部, 准教授 (70350296)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 農家民泊 / 個人旅行客 / アグリツーリズモ / 農村観光 / 農家民宿 |
研究実績の概要 |
2019年の研究は大きく3つの方向性で実施した。1つ目は初年度に引き続き、個人旅行客の受け入れ実績のある農家民泊へのインタビュー調査である。国内ではまだまだこのような農家民泊は少なく、普及しているとは言い難いため、訪問・インタビューのサンプルを増やす必要があると判断し、実施した。2つ目は農家民泊の先進事例であるイタリア・アグリツーリズモ(農家民泊)の視察および経営者へのインタビュー調査である。アグリツーリズモが地方旅行の滞在先として普及しているイタリアの事例を通して、日本の農家民泊普及につながるポイントを考察した。3つ目は地方自治体・NPO組織を対象とした農家民泊の普及拡大に向けた支援体制のヒアリング調査である。個人経営の農家民泊が今後普及拡大するためには行政等のバックアップは不可欠と考えているため、現状把握のためにヒアリング調査を実施した。 2019年度の研究実績は次の通りである。(1)各地の個人旅行客の受け入れ実績のある農家民泊に対して現地調査・インタビュー調査を行った(国内3地域3軒)。(2)イタリアへ渡航し、アグリツーリズモに対して視察およびインタビュー調査を行った。また、農業や食の重要性や関心を高める活動をしている"食・農業”のテーマパーク「FICO」を視察した。(3)地方自治体・NPO組織を訪問し、行政やNPO組織の立場からどのように農家民泊の普及に向けた支援をしているか、ヒアリング調査・意見交換を行った(県および総合振興局4地域、NPO法人1組織)。(4)日本初のアルベルゴ・ディフーゾ(古民家を活用した分散型ホテル)である岡山県矢掛町に現地調査を行い、施設視察および行政へのヒアリング調査を実施した。(5)国内の農家民泊事例の特徴や、イタリアのアグリツーリズモを比較した傾向などをまとめ、学会発表を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度は国内各地への現地調査を当初予定していた通りに行うことができた。インタビュー結果も順調に蓄積出来ている。また、海外(イタリア)の調査も当初の予定通りにアグリツーリズモ経営者へのインタビュー調査を実施することができた。イタリアでの調査結果を含めて日本とイタリアの農家民泊の比較考察を学会発表にて行うこともできた。さらに、地方自治体・NPO団体へのヒアリング調査を実施し、行政等による農家民泊への支援体制の地域差や内容の違いを把握することができた。これについてはさらに分析を深め、2020年度で成果を学会発表や論文投稿形で広く発信していく。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は(1)個人旅行客の受け入れを主とした農家民泊の経営内容の分析を深め、いつくかのタイプに類型化する。(2)地方公共団体・NPO組織による農家民泊支援体制の特徴や課題を整理する。(3)イタリア・アグリツーリズモの調査結果をもとに、日本の農家民泊の普及拡大に向けた要素を検討する。 (1)~(3)を基にして、日本における個人旅行客の受け入れによる農家民泊の普及拡大に向けた経営モデルの構築を目指す。さらに、2020年度は研究最終年度であるため、学科発表や論文投稿を精力的に行っていく。
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