| 研究課題/領域番号 |
18K11882
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| 研究機関 | 岐阜聖徳学園大学 |
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研究代表者 |
伊藤 薫 岐阜聖徳学園大学, 経済情報学部, 教授 (10308679)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| キーワード | バリアフリー観光の促進 / 障がい者・高齢者 / バリアフリーツアーセンター / ＮＰＯ法人 / 高齢化社会 |
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| 研究実績の概要 |
本研究の研究大テーマは、「バリアフリー観光推進を通じて日本人観光客を増加させるために、各観光地においてバリアフリーツアーセンター（ＢＦＴＣ、「着地型相談センター」の一種）、行政、観光協会、福祉団体などがどのように役割分担をし、どのような協力体制を構築したらよいか」である。
本研究の研究課題は、以下の３点である。研究課題１：ＢＦＴＣの実態の把握、研究課題２：推進の中核組織であるＢＦＴＣの望ましい組織形態、研究課題３：各観光地の観光組織の役割分担と協力関係の在り方。
平成30年度の研究においては、研究実施計画に従って以下の研究を実施した。①ＢＦＴＣの基礎事項に関するアンケート調査を実施してその結果を日本観光研究学会で報告し、また紀要論文で報告した。②ＢＦＴＣの実地調査を、主に設立時の経過を中心に、7ＢＦＴＣで実施した（伊勢志摩、仙台、広島、しゃらく（神戸）、山形、秋田、鹿児島）。平成29年度の沖縄、石川と合わせて、21ＢＦＴＣのうち9ＢＦＴＣで実地調査をしたこととなる。③伊勢志摩ＢＦＴＣの設立について、紀要論文で報告した。④観光庁実施の報告会に参加した（ユニバーサルツーリズム促進に向けた実証事業-成果報告会）。⑤ＮＰＯ法人の設立・運営に関する資料を入手した。
アンケートと実地調査の結果、ＢＦＴＣは小規模（零細規模）のものが多いが、組織的にはＮＰＯ法人が多い。また単独目的（伊勢志摩）と大規模ＮＰＯ内部組織（沖縄、カムイ・大雪）、観光協会の内部組織（秋田）、株式会社の支援を受けるＢＦＴＣ（仙台、広島、石川）など様々な形態があることが判明した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
（１）バリアフリーツアーセンターの実態把握は、21ＢＦＴＣのアンケート調査と現在までの9ＢＦＴＣの実地調査を実施できた。「９ 研究実績の概要」で述べたとおりである。（２）日本のトップランナーである伊勢志摩ＢＦＴＣの設立について、紀要論文で報告した（当初の研究計画では平成３１年度の予定であった）。伊勢志摩ＢＦＴＣの設立過程では、行政、観光業界、ＮＰＯ、障がい当事者など、多数の人々との関連があったが、当時の三重県知事の果たしたリーダーシップが重要であった。起用された民間人が中心となって設立されたことが重要な特色である。資金獲得に苦労するというＢＦＴＣの共通の悩みも抱えていた。まざに「ＢＦＴＣの教科書」であり、ＢＦＴＣを考える上では非常に参考になった。
以上のように基礎的な情報収集は完全ではないが、概ね順調に進んでいると考える。
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| 今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画では、次のようにされていた。（２）平成３１年度は、研究課題１、２、３のための現地取材である。伊勢志摩ＢＦＴＣ、佐賀嬉野ＢＦＴＣ、沖縄ＢＦＴＣ、広島ＢＦＴＣ、秋田ＢＦＴＣ、大雪・カムイＢＦＴＣなどの主要なＢＦＴＣについては、現地取材の結果を論文にまとめ、報告したい。
そこで本年度の研究の推進方法を以下のように考えている。
研究１：実地調査の継続：実地調査が未実施の１２ＢＦＴＣについて、極力実地調査を行ないたい。
研究２：主要なＢＦＴＣの設立過程を論文にまとめたい。主要なものは、以下のとおりである。①沖縄ＢＦＴＣ：那覇空港に常駐スタッフの沖縄ＢＦＴＣを開設するなど、日本のトップランナーの1つである。福祉目的ＮＰＯの内部組織であり、安定した経営を実現しており、ＢＦＴＣのモデルの一類型と考える。②佐賀嬉野ＢＦＴＣ：入浴介助システムを構築した。伊勢志摩ＢＦＴＣの指導を受けた第２号のＢＦＴＣであるが、まだ法人格を取得していない。行政の支援を受けている。③石川ＢＦＴＣ：株式会社の支援を受けている小規模ＢＦＴＣである。小規模ながら、岐阜、富山、福井など周辺地域へ、ＢＦＴＣのノウハウを伝授している。
研究３：特定非営利活動法人（ＮＰＯ法人）と社団法人、財団法人、株式会社などの組織の特徴、有利な点、不利な点を、整理する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
直接経費１００万円のうち、残額が７，９５５円生じた。
次年度に実態調査のための旅費として使用したい。
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