研究課題/領域番号 |
18K11888
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研究機関 | 福岡女学院大学 |
研究代表者 |
田中 英資 福岡女学院大学, 人文学部, 教授 (00610073)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 文化遺産 / 観光開発 / トレッキングツーリズム / トルコ / 地中海 |
研究実績の概要 |
2020年度は本研究課題の最終年度であり、当初は長期休暇中にトルコでの現地調査を継続しつつ、これまでの研究成果の報告や論文執筆を進める予定であった。しかしながら、新型コロナウィルス感染症の世界的な蔓延により、2020年4月以降は海外渡航が不可能になったため現地調査は中止せざるを得なくなった。そのため、2019年度までに得られた調査結果をもとに研究成果をまとめ、公表を進めることに重点を置いた。 学会発表としては、前年度に発表が確定していた文化人類学会第54回研究大会で「文化遺産、観光、地域社会のインタラクションと道-トルコ地中海地方「リュキアの古道」トレッキング観光を事例として-」という題目の報告を行った(2020年5月)。また、2021年3月に行われた国立民族学博物館主催の連続ウェブ研究会「文化遺産実践における身体とモノ―集合的健忘に抗するための文化伝達」では「『われわれはリュキア出身のトルコ系牧畜民だ』――南トルコ、テケ半島の観光状況におけるローカル住民と「遺産」の道の関係の変容」という題目の報告を行った。研究論文としては、福岡女学院大学紀要人文学部編に「『リュキアの古道』トレッキング観光を通した遺産化:トルコ地中海地方デムレにおける「デムレ‐ケコヴァ・アウトドアと地元の食文化フェスティバル」の事例から」という題目の論考を寄稿した。 ただし、2020年度はトルコでの現地調査ができておらず、研究データの蓄積が不十分な研究項目があるほか、旅費として計上していた予算を残すことになった。以上のことから、補助事業期間の延長を申請し、承認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
トルコに渡航しての現地調査を前提に研究計画を立てていたため、新型コロナウィルス感染症の世界的な蔓延によって、長期休暇期間中に実施予定であった現地調査を中止せざるを得なくなった。また学務についても遠隔授業等、新型コロナウィルス感染症への対応に追われ、研究に十分な時間を充てることも難しくなった。研究成果の公表という点では一定の成果を挙げられたとは考えているが、研究計画の遂行という点では遅れが生じていると評価せざるをえない。
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今後の研究の推進方策 |
補助事業期間の延長が認められたので、2021年度は、2019年度までに蓄積した調査データをふまえて研究成果の公表を続ける。特に、2021年3月に国立民族学博物館主催の連続ウェブ研究会で報告した内容の論文化を進めていく。 新型コロナウィルス感染症の蔓延状況にもよるが、可能であればトルコに渡航して現地調査を行いたいが、状況はかなり厳しいため実現するかはかなり不透明である。現地調査ができないことを想定し、論文の執筆等に重点を置くことを考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
トルコに渡航して現地調査を行う前提で研究計画を立てていたが、新型コロナウィルスの世界的な蔓延のため、現地調査を行うことが不可能になったため、旅費として計上していた予算を使用することができなかった。
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