研究課題/領域番号 |
18K11891
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
長堀 紀子 北海道大学, 人材育成本部, 特任教授 (90372268)
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研究分担者 |
川畑 智子 首都大学東京, 人文科学研究科, 客員研究員 (90374256)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 女性研究者 / キャリア開発 / 無意識バイアス / キャリア |
研究実績の概要 |
本研究では、大学において女性研究者が存分に活躍できる研究環境(多様性が確保されかつ尊重されている)を構築する視点から、女性研究者のキャリア形成における無意識バイアスの影響について調べることを目的としている。 前年度に、質問紙調査(ウェブ利用)を仮定した調査項目の設計と分析方法の検討を行い、「女性研究者の研究継続を困難にしているものは日常の無意識バイアスである」との仮説の元「男性が女性よりも多いゼミ/職場」「年齢層が同じ人が多いゼミ/職場」「指導教員が男性であるゼミ/職場」という仮説に追加し「指導教員の人材育成の方針」という視点で調査を実施することとした。「指導教員の人材育成の方針」については、質問紙による調査を行う以前に、質的な掘り下げが必要であると判断したことから、質的調査に重点をおく内容に調査設計を修正した。9月から12月にかけて、質的調査のための分析手法の選定を行った。まずはM-GTA法による分析を行うことを前提とし、半構造化インタビューのための調査項目を作成した。聞き取り項目として、①教授を目指した時期、②上位職を目指すにあたって困難だったこと、③困難(があったとしたら)を乗り越えたエピソード、を中心に据え、出来事や環境がキャリアプロセスにどういう影響を与えたのかに注目することとした。調査協力者を募り、令和2年1月から2月にかけて自然科学系の女性教授5名へのインタビュー調査を実施した。各インタビューは協力者の同意の元で録音し、内容の文字起こしを行った。文字データを用いて、M-GTAの方法論にのっとり「概念」の生成を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査の方法について、質問紙調査からインタビュー調査への変更はあったものの、調査を実施することができたため、おおむね順調に進展しているとした。質的調査の分析方法のひとつであるM-GTA法にのっとり、分析を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度においては、引き続き、分析を進める。必要に応じて、インタビュー協力者に対する追加質問、ならびに、インタビュー数を増やすことも視野に入れている。当初予定していた海外調査については、コロナ感染症の影響により実施は困難と考えられることから、オンラインでのインタビュー等を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
主に研究員の雇用開始時期が遅れたことから残額が生じた。また、海外調査について、コロナ感染症の影響で、出張ではなく可能な範囲でのオンラン調査とすることから、旅費としての利用も減る予定である。このような状況に鑑み、平成31年度に開始した女性教員へのインタビュー調査に重点を置くこととし、使用残額は、主にインタビュー調査文字お越しならびに分析費用として使用する。
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