経綸学盟の結成[1923/大正12年]以降から終戦までの、いわゆる戦前の国家主義・民族主義を、(1)国家社会主義理論系(2)農本アナーキズム系(3)日本主義労働運動系(4)国体明徴運動関連団体系(5)純正日本主義思想・文学運動系の5類型に分類した上で、代表的運動団体の発行物・指導者層の著作を、近代家族イデオロギー、男らしさ観、ミソジニー、ホモソーシャルの諸要素に注目した言説分析をおこなった。 夫婦間の情愛を、近代西欧的ではなく日本的なものとみなした上で称揚する言説が、農本アナーキズム系と純正日本主義思想・文学運動系に比較的みられた。その文脈で尊王運動にかかわった女性の称揚もみられた。
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