研究実績の概要 |
5年間の研究期間の4年目である今年度は、新型コロナウイルスの影響により、国内外での出張がしにくくなり、学会の開催中止も多く、研究遂行に若干の支障をきたした。学会発表は当初の計画よりも減らすこととし、論文や書籍の発表を主とした。 LGBTQにまつわるトラブルや困難として、現在日本を含む世界中で大きな動きとなりつつある、女性の安全を守るという名目によるトランスジェンダーの排除運動がある。一方で、逆の動きとして欧米諸国では、生殖能力をなくしてしまう性別適合手術の推奨を見直し、性別適合手術なしでパスポートの性別を変更する制度が広まりつつある。この領域での先進国の1つであるノルウェーの研究者で、トランスジェンダーの社会学を専門とするF. R. Hartland氏と連携し、戸籍性別変更のために生殖能力を無くすことが必須となっている日本の状況や、当事者たちの意見を調査して質的な分析を行い、Hartline and Ishimaru(2021)として出版した。 また、LGBTQの心身両面からのケアに関する領域でも調査を行い、LGBTQが医療の中でどのように扱われてきたかに関する歴史的経緯、特に、同性愛や性同一性障害が精神医学の中でどのように扱われてきたかをまとめ、石丸(2021)として出版した。 また、LGBTQが関わってくる領域として、自閉症傾向を持つ人の社会機能にジェンダーがどのように関わるか(出水・石丸, 2021)や、女性同士の人間関係のトラブルの要因の整理(森・石丸, 2021)を発表した。
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