研究課題/領域番号 |
18K11901
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
|
研究機関 | 桃山学院大学 (2021-2023) 下関市立大学 (2018-2020) |
研究代表者 |
萩原 久美子 桃山学院大学, 社会学部, 教授 (90537060)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 保育労働 / 市場化 / 労働組合 / 公共サービス / ケア |
研究成果の概要 |
本研究は日米豪を対象に、保育の市場化の諸特徴と保育労働者のヴォイスチャンネルの国際比較を通して、第一に、それぞれの国がたどった市場化過程を整理し、国家による市場形成の諸特徴、第二に、市場形成にあたって、市場に適合的な労働力の形成と調達の諸特徴を明らかにした。第三に、市場としての保育サービスのもとでの労働力の組織化――すなわち労働組合等による集団的ヴォイスの形成の共通点と差異を検証した。その結果、市場化のインパクトに対する社会的規制力の所在を検討し、市場化によって日本の保育労働者が最も交渉チャンネルが限定され、最も脆弱な組織基盤に置かれているとの結論に至った。
|
自由記述の分野 |
労働社会学、社会政策、ジェンダー
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
社会サービス分野への市場に関しては福祉ガバナンス、あるいは市場導入の是非からアプローチされることが多い。これに対して、本研究では市場化を市場の論理の浸透過程と、市場概念では包摂しきれないケア労働のもつ社会的な領域との動態的過程と設定することで、この過程における保育者主体の発言チャンネル、発言メカニズムに着目した。ジェンダー化されたケア領域の変革可能性、市場の論理が浸透する過程での市民的要求の基盤、国際比較において最も組織しがたいとされる労働者層の組織化モデルの検討を行った。この視点からの分析は今後の労働運動・社会運動研究の方法論に貢献するものである。
|