研究課題/領域番号 |
18K11902
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研究機関 | 共立女子大学 |
研究代表者 |
杉村 使乃 共立女子大学, 文芸学部, 教授 (20329337)
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研究分担者 |
池川 玲子 日本女子大学, 家政学部, 研究員 (50751012)
平塚 博子 日本大学, 生産工学部, 准教授 (80407379)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ジェンダー / 表象 / メディア / 制服 / キャリア / 日本史 / アメリカ / イギリス |
研究実績の概要 |
新型コロナウイルス感染拡大により、研究期間を1年延長し、2021年度が最終年度となった。研究対象である「制服美女」を女性警察官に集約し、新規に関連する資料を整え、日本、アメリカ、イギリスにおける表象の分析、国際比較に取り組んだ。この研究成果については、ジェンダー史学会第18回年次大会(2021年12月12日オンライン開催)にて、部会D「戦後の女性警察官表象とキャリア形成における国際比較」として、本研究グループメンバー全員が報告した。この部会では「制服美女」として表象された女性警察官を取り上げ、杉村、平塚がそれぞれイギリス、アメリカについて、その黎明期から1970年代までの表象を分析した。そして池川が日本の女性警察官に関する通史的研究を踏まえ比較の視点を提示した。報告①「イギリスの女性警察官表象」では、女性警察官の歩みを概観し、写真週刊誌『ピクチャー・ポスト』、タブロイド紙『デイリー・ミラー』、また地方警察管内の広報誌『パトロール』掲載のカリカチュアを取り上げ、第二次世界大戦から、1970年代までの傾向について検討した。報告②「アメリカの大衆メディアにおける女性警察と制服の表象」では第二次世界大戦以前からのアメリカの女性警察官の歴史と制服の位置づけを踏まえ、雑誌における表象をジェンダーとエスニシティに着目して考察した。白人中産階級の関心を反映した『ライフ』誌が女性警察官に殆ど紙面を割いていない一方、アフリカ系アメリカ人が読者層のJET Magazine (1951年創刊)では、女性警察官はマイノリティにも開かれたキャリアとしてクローズアップされる。しかし彼女たちの美貌や「女らしさ」も同時に強調されている。ディスカッサントの池川は先行研究を踏まえ、異文化横断的に女性警察官の立場を比較検討する指標を示した。この部会の概要は『ジェンダー史学』第18号に掲載の予定。
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