研究実績の概要 |
二つの英文論文がそれぞれ近く出版される予定である。学会発表も行った。 1)“Monpe Eroticism”in Technologies of Clothing, ed. Barbara Hartley (Bril, forthcoming )では、1964年東京オリンピックの開催前6月に上映された映画『越後、つついし、親知らず』(監督:今井正、原作:水上勉)の分析を中心に、労働する女性の身体へのまなざしと、急速に近代化する都市空間に潜むノスタルジアと、それを反映した女性の身体の表象について論じた。 2)“The Doppelganger and the 1964 Tokyo Olympics" in Journal of Japanese Studies (forthcoming in summer 2019)では、研究書 Double Visions, Double Fictions (Baryon Tensor Posadas, University of Minnesota Press, 2018)ヘのリスポンスという形で、1920年代、30年代を舞台にした小説と映画に出現するドッペルギャンガーのナラティヴと、64年東京オリンピックの観客の心理を重ねて論じた。女性の身体が、近代の主体の揺らぎに戸惑う男性の心理を反映して幽霊化する点を指摘している。 3)学会「European Consortium of Political Research」(ハンブルグ大学、2018年8月)において、ジェンダーに関するパネルでディスカッサントを務め、発表論文三稿に対してそれぞれリスポンスを準備した。
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