研究課題/領域番号 |
18K11911
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研究機関 | 四国学院大学 |
研究代表者 |
大山 治彦 四国学院大学, 社会福祉学部, 教授 (70321239)
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研究分担者 |
大束 貢生 佛教大学, 社会学部, 准教授 (20351306)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | SOGI / LGBT / オンブズマン / HBTQ認証 / スウェーデン / RFSL / 人権 / 差別 |
研究実績の概要 |
今年度(2021年度)に研究を終結させることができなかった。その理由は、まず研究代表者が引き続き病気休職中で、研究分担者もコロナ禍への対応に追われたからである。そのため、1年間の研究期間の延長を申請している。 しかし、このような事情があったにもかかわらず、先行研究のレビューや、リモート開催となった学会大会での報告等は行なうことができた。なお、学会報告の内容は、次の通りである。その目的は、スウェーデンにおけるSOGIに基づく差別などを解消、すなわちSOGI平等へのとりくみにおける、宗教、とりわけ、キリスト教の扱いについて整理することで、わが国のとりくみへの示唆を得ることであった。具体的には、①同性間の法律婚へのスウェーデン教会の対応、②キリスト者のLGBTQ+のNGOである「EKHO」の活動について概括した。スウェーデン教会は、HBTQに対する「差別に反対し、包摂するために積極的に取り組」むことを、明言しており、SOGI平等を実現しようとする意志があった。そのため、同性間の法律婚の実現や、「虹の鍵」の実施など、成果も上げているといえる。また、EKHOは、1970年代という早い時期から、スウェーデン教会におけるSOGI平等の実現のために、さまざまな活動を行なっていた。RFSLやRFSUといった類似の活動をしている、他のNGOとの協働がみられ、活動の推進に結びついていた。近年、わが国においても、キリスト教や仏教の各宗派によって、さまざまな取り組みがみられるが、スウェーデンにおける取り組みは、わが国においても、参考となるのではないかと思われる。 また、来年度(2022年度)に出版予定の本の原稿に取り組んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者が引き続き病気休職中で、研究分担者もコロナ禍への対応に追われたため、研究をほとんど進展させることができなかった。しかし、現地における必要な調査等はおおむね終了しており、研究全体としては、総合的な考察を残すのみである。
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今後の研究の推進方策 |
来年度(2022年度)は最終年度として、引き続き文献調査として先行研究のレビューを実施するとともに、2019年度までのスウェーデンにおける現地調査の成果をまとめ、総合的な考察を行なう。 また、研究の成果の発表等として、学会大会等での報告を実施する(日本社会学会、日本ジェンダー学会等を予定)。また、書籍等の出版を実現する。
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次年度使用額が生じた理由 |
【大山治彦への配分について】病気休職により研究が進展しなかった。そのため、支出は必要最低限のものとなった。繰り越し金は、来年度(2022年度)において、物品購入費等に充当する。 【大束貢生への配分について】コロナ禍への対応に追われ、研究が進展せずしなかった。そのため、支出は無かった。繰り越し金は、来年度(2022年度)において、物品購入費等に充当する。
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