研究課題/領域番号 |
18K11917
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
後藤 真一 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (70334646)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 超重元素 / ラザホージウム / 吸着エンタルピー / 4族元素塩化物 / 塩化アンチモン / 水銀トレーサ― |
研究実績の概要 |
ラザホージウム塩化物の吸着エンタルピー測定に向けて,同族元素であるジルコニウムおよびハフニウム塩化物に対する等温ガスクロマトグラフィ実験をオンラインで行うための準備を進めた。具体的には,これまで塩化物を生成させるために四塩化炭素を用いて穏やかに反応させていたが,オンライン実験では速く反応する塩素化剤を使用しなくてはいけないため,塩化チオニルを用いた塩素化の検討を行った。塩化チオニルを用いた場合でも,四塩化炭素の場合の結果を再現することを確認し,年度末にはオンライン実験を開始した。 12族以降の元素の塩化物に対する気相化学研究については,15族元素であるアンチモンを対象とした実験を行った。その結果,トレーサ量の塩化アンチモン(III)の生成に成功し,統計精度は悪いものの等温クロマトグラフィを行うことができた。これにより,過去に測定したBiCl3の結果との比較が可能になる。12族元素である水銀の気相化学に向け,無担体の水銀トレーサ製造法の確立に向けた研究も進めた。トレーサ実験には203Hgが適しているが,荷電粒子を入射する核反応では製造しにくい。そこで,タリウムに対する制動放射線照射による製造法とターゲットからの分離法を検討し,実験を行った。その結果,トレーサを用いた気相化学実験を行うことができる数百kBqの無担体203Hgを得ることに成功した。203Hgの半減期が46.5日であるため,2か月ごとに製造することで,継続的な化学実験が可能となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ラザホージウム塩化物のオンライン実験に向け,同族元素であるジルコニウムおよびハフニウムを対象としたオンライン実験を開始し,実験条件の最適化を行っているところである。 12族元素以降の気相化学研究については,第7周期だけでなく第6周期の元素対象にした実験に成功し,同族での比較が可能となった。また,12族元素の気相化学実験に向け,トレーサ製造法が確立できた。
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今後の研究の推進方策 |
Rf塩化物のオンライン実験を行い,吸着エンタルピーを求める予定である。 Hg塩化物の等温クロマトグラフィを行い,Hg, Tl, Biでの比較を行う予定である。
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