ナノメートルスケールの空間中の水の構造やダイナミクスは、空間サイズや界面との相互作用の影響を受けている。しかしながら、サイズ効果と界面との相互作用を分離して理解することは十分にできていない。そこで、本研究では空間サイズを揃えた試料を用いて界面の状態が水の運動性に与える影響を中性子準弾性散乱により調べた。 界面の性質が異なるメソポーラスシリカ中の水、リン脂質二分子膜中の水への塩添加効果について調べた結果、界面の性質が異なることで細孔表面に強く結合した水和層の厚みが変わると考えられる一方、それ以外の空間ではバルク水よりも一桁程度遅い水とバルク水と似たような水の2種類の水が存在することを明らかにした。
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