研究課題/領域番号 |
18K11949
|
研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
萩野 紀一郎 富山大学, 芸術文化学部, 准教授 (70242005)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 国内事例調査 / 学会の小委員会・ワーキンググループ |
研究実績の概要 |
平成30年度は、交付申請時の研究計画の通り、本研究における3年計画の1年目として、主に国内の事例調査を実施した。 具体的には、東京電機大学理工学部、前橋工科大学などを訪問し、それらの大学でデザイン/ビルド課題を担当されている先生方へ授業概要や授業成果などをヒアリングし、学生の作品を見学させていただいた。東京電機大学理工学部については、実際に授業に3回ほど参加し、指導や講評も行い、学生たちへのアンケートも実施した。 また、調査と併行し、実際にデザイン/ビルド課題を用いた建築設計教育の実践および、日本建築学会などを通じて情報収集および本研究の今後の展開について打合せを重ねた。 教育の実践については、富山大芸術文化学部において実際にデザイン/ビルド課題を用いた建築設計演習授業を実施した。また、平成31年度からは、カリキュラム変更により履修人数が約20人から60人へ多くなり、授業期間も15週間から8週間へ短くなるので、本研究の調査内容を参考に教育方法の検討などを行った。 日本建築学会を通じての情報収集や今後の展開の模索としては、日本建築学会の出版物から日本の大学の建築学科すべてのリストを入手した。また学会の大会に参加し、デザイン/ビルド教育に関する情報を収集し、日本建築学会の建築教育委員会のメンバーとの交流を行った。その結果、本研究の内容について学会の建築教育委員会で発表講演する機会を与えられ、平成31年度以降に、学会の建築教育委員会の中に、原寸大のデザイン/ビルド課題を用いた建築デザイン教育に関する小委員会あるいはワーキンググループを発足することを検討することになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内事例現地調査については、実際に現地調査をできたのは、日程的な制約から、平成30年度は2件に留まった。本研究のスタート以前の調査を含めると5件ほどにはなる。 現地調査の件数が少なかったが、一方で、調査に行った東京電機大理工学部では、3回も授業に参加し、深く教育に関わることができ、大きな収穫を得ることができた。また、日本建築学会においては、建築教育委員会で本研究についての講演の場をいただいた上、平成31年度から、本研究の内容を進めるべく小委員会あるいはワーキンググループの設立の検討にまで至った。 したがって、調査が予定より少し遅れているものの、今後の展開や成果につながる準備は予定以上に成果を得ることができたので、全体として「おおむね順調に進展」と判断している。
|
今後の研究の推進方策 |
平成31年度も引き続き、国内の事例調査を続けるとともに、交付申請時の計画の通り、海外の事例調査を進めていく。 具体的には、平成31年の5月末から6月にかけて、フランスのグル―ノーブル建築大学クラテーラ土研究所のワークショップに参加し、ナンシー建築大学の「ウッド・チャレンジ」のワークショップ作品見学や担当教員へのヒアリング、また、トリノ工科大と連携している石積み技術や文化を研究教育しているバンカ・デル・ファーレを調査にいくことを計画している。 秋か初冬にはアメリカ方面の事例調査も計画している。
|
次年度使用額が生じた理由 |
平成30年度は、国内の事例調査の実施回数が当初の予定よりも少なかったので、使用額が当初の計画より少なくなったが、平成31年度は、予定通り海外への調査を実施することに併行して、国内の事例調査も継続していく予定である。
|