本研究の目的は,避難時に人を背負って搬送でき,しかも自作できる背負式搬送具を開発することであった.搬送具は自作化とすることで溶接できないため重くなることは避けられないが,十分な強度も持ちしかも軽く設計しなければならない.最終的に背負式搬送具は本体質量8.3 kgで,最大体重80 kgの人を背負って搬送することができるようになった.さらに,使用者が搬送具を自作できるように,組立手引書も作成した.組立作業はビデオ撮影され,作業時間分析を行なった.手引書は,組立作業の正確さと迅速さを向上させるために,見直しを重ねた.最終的に,組立間違いがほとんどなく,1時間余りで自作できる組立手引書が完成した.
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