研究課題/領域番号 |
18K11952
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
蛭田 直 信州大学, 学術研究院教育学系, 助教 (80548230)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | パターン / パターンデザイン / ウェブアプリケーション / デジタル教材 / 基礎デザイン |
研究実績の概要 |
2019年度は、前年度に続き正多角形でパターンデザインが行えるウェブアプリケーション開発として、2018年度に開発したスクエアパターンメーカーに続き、スクエアパターンメーカーハーフステップおよび、その出力ユーティリティーの開発を行った。スクエアパターンメーカーハーフステップでは、奇数列と偶数列のユニットを半分ずらすことで、横方向がハーフステップ送りのパターンデザインを学習、制作できる。縦のステップ送りと横のハーフステップ送りを組み合わせることができるので、複雑でより豊かなアイデアのパターンデザインを実現することが可能になった。一方で、このハーフステップ送りを使用したパターンデザインは、複雑になるため上級者向けとも言える。ここで、これまで制作したパータンデザインメーカーを整理すると、正三角形によるパターンデザインは偶発的によいアイデアが生まれるため初級者向けであり、正方形によるパターンデザインは、上下のみに連続するためデザインを工夫しないとパターンデザインとしての魅力が生まれないため中級者向けと言える。つまり、現段階で初級者、中級者、上級者に向けたパターンデザインを段階的に学ぶ環境が実現できたと言える。これに外形加工をともなうパターンデザインが学べることができれば、より高度かつ奥深いパターンデザインを学び制作できる環境を実現できる。 2019年度は、本研究の着想の基となった研究「デザイン領域における高等教育で活用するe-プロトタイピング学習教材と学習法の開発(課題番号:15K00682)」においても継続的に研究を行いパターンデザインと電気回路を組みわ合わて照明をデザインすることで、造形と電気的機能を合わせた学習教材の事例へ繋げ口頭発表を行なった。口頭発表は、第66回日本デザイン学会春季発表大会(会場:名古屋市立大学)で行いグッドプレゼンテーション賞を受賞した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
パターンデザインハーフステップおよび出力ユーティリティーの開発、パターンデザインと電気的特性を合わせて学べる教材や出力ユーティリティーを活用した様々な事例の開発については、順調に行うことができたが、最後に開発を予定している外形加工をともなうパターンデザインのウェブアプリケーション開発において、インタフェースが想定よりも複雑であったため検討に時間が掛かっている。加えて、開発者との打ち合わせが新型コロナウィルスの影響で対面で行えないことでの遅延が生じた。オンラインでの打ち合わせも行なっているが、外形加工をともなうパターンデザインのインタフェースについては、対面での議論でないと解決しない部分が多く困難な状況にある。インタフェースの難しさと対面での議論ができないことが主な理由である。
|
今後の研究の推進方策 |
最終年度では、開発の遅れている外形加工をともなうパターンデザインメーカーを進めるとともに、計画書に記した通りプロジェクトの発表を展覧会の形式で行う。 外形加工をともなうパターンデザインメーカーの開発では、遠隔でも対面同様の議論ができるように機材や方法を工夫して、開発の遅れを取り戻せるように取り組む。 展覧会では、プロジェクトの概要、開発を行ったパターンデザインメーカーのウェブアプリケーションに加えて、発展的にパターンデザインを活用した事例についても積極的に展示を行う。あわせて来場者がパターンデザインをウェブアプリケーションで体験できるよう工夫する。 新型コロナウィルスの影響をすくなからず受けたが、本研究がオンライン授業に対応する形でも、デザインを専門とする高等教育で基礎デザインに位置づけられることを新しい着想として得ることができた。しかし、オンライン授業に対応するには、使用方法やパターンデザインそのものの資料が不足しているため、ウェブサイト上で上で学ぶことができるよう資料についても充足させたい。それらの資料や環境が充実すると、小中高の学校現場におけるオンライン授業でも、実施が難しい図画工作、美術の授業の教材になることが期待できる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
(次年度使用額が生じた理由) ・当初計画で見込んでいた開発が遅れたため、次年度使用額が生じた。また、検証についても新形コロナウィルスの影響で、予定の方法や機材で行えなかたっため、次年度使用額が生じることとなった。 (使用計画) ・次年度使用額は、遅れていた外形加工をともなうパターンメーカーの開発に使用する。検証については代替手段を考案して使用する。令和2年度使用額は、当初の予定通りに成果発表の展示を中心に、口頭発費、論文投稿の費用として使用する。
|