本研究は、パターンデザインの学習および制作が困難であることに着眼し、ウェブアプリケーションを開発することでパターンデザインの学習と制作が容易に行える環境構築を行ってきた。最終年度では、平面充填をするユニットの外形形状を編集できる機能を実装したウェブアプリケーションの開発を行う予定であった。しかし、平面充填を行う上でユニットの頂点の追加および曲線形状の実装に困難が生じたため、一定の自由な曲線形状の編集から、平行四辺形を基本ユニットにしたパターンデザインのウェブアプリケーション開発に変更した。 開発を行ったウェブアプリケーションでは、平行四辺形を基本ユニットに、その平行四辺形の角度を編集する機能を実現した。これによりユーザーは、正三角形、正方形といった固定された形状のユニットをもちいたパターンデザインだけではなく、動的なユニットの変更をともなうパターンデザインの学習と制作が行えるようになった。ユーザーは、基本ユニットの平行四辺形に角度の変化を加えることで、パターンデザイン全体の印象大きく変化できるようになり、ユニット内のデザインだけでなく、外形形状の変化がもたらす、パターンデザインの魅力と奥深さを体験することが可能になった。 最終年度では、これまで開発を行ったパターンデザインの制作と学習が行えるウェブアプリケーションおよび研究紹介、ウェブアプリケーションを活用した成果物を社会還元として展覧会で発表する予定であったが、新型コロナウィルス感染症の流行により、展覧会の開催が難しく断念せざるを得なかった。しかし、これまでの取り組みについてウェブサイトをもちいて発信と社会還元ができるよう公開した。ウェブアプリケーションの発展と展覧会は、研究期間終了後にも取り組みを継続し実現する予定である。
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