研究課題/領域番号 |
18K11955
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
西成 典久 香川大学, 経済学部, 教授 (90550111)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 都市計画遺産 / 都市計画史 / 社会的プレゼンテーション / まちづくり / 文化政策 / 城下町 / 海城 / 総合学習 |
研究実績の概要 |
本研究は、我が国の都市計画がこれまでにつくりだしてきた都市空間の遺産的価値を探求し、そうした遺産的価値を市民に対して伝えていく手法(本研究では「社会的プレゼンテーション手法」と呼ぶ)を実践的に構築し、把握することを目的としている。 初年度となる2018年度は、主に高松の都市計画史を対象とした史料調査を実施し、特に、現在の都市空間の基盤となる近世期の都市形成に着目した史料収集を行った。また、社会的プレゼンテーションの手法に関して、連動して研究活動を進めている「パブリック都市計画史の理論的・実践的探究」の一環として企画・実践された「アーバニズム・プレイス展2018」に参画し、実践的な知見を得ることができた。 また、2019年度には、これまで調査・研究を蓄積してきた高松に焦点を当て、研究協力者として高松の出版社と相談を重ね、実験的な社会的プレゼンテーション手法として、子供(小学生)を対象として地域や場所の形成を学べる教育プログラムの検討を進めていくこととなった。2020年3月には、小学校の先生や行政関係者、建築士、出版関係者をメンバーとする「まちの歴史から子供と地域をつなぐ研究会」を起ち上げることができた。 今年度は4月から新型コロナウイルスの影響を受け、当初計画していた海外での都市計画における社会的プレゼンテーション事例の調査はできず、起ち上げた研究会でも実質的な活動に取り組むことが難しい状況にあった。こうした状況下でも、オンラインでの研究会を開催し、研究会の名称を「まちの記憶研究会in高松」とした。研究会での打合せ等を通じて、香川大学教育学部付属小学校3年生を対象とした高松の都市計画史に関する実験的授業を2021年3月に実施することとなった。現在、実施した授業の内容や効果を把握するため、小学生のリアクションを分析しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要でも述べた通り、これまで調査・研究を蓄積してきた高松に焦点を当て、研究協力者として高松の出版社と相談を重ね、実験的な社会的プレゼンテーション手法として、子供(小学生)を対象として地域や場所の形成を学べる教育プログラムの検討を進めていくこととした。 一方で、都市計画の社会的プレゼンテーションに関する先行事例調査として、ヘルシンキやバーミンガムといった欧州の事例調査を当初の研究計画に含めていたが、新型コロナウイルス感染予防のため海外渡航が原則禁止となり、研究経費の使用計画も含めて、あらためて今後の研究計画の見直しをしているところである。 こうした社会的状況の変化を受け、進捗状況としてはやや遅れている状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
現在、都市計画の社会的プレゼンテーションに関する具体的実践として、子供(小学生)を対象とした地域や場所の形成を学べる教育プログラムの検討を進めているところである。今後の研究方策としては、昨年度起ち上げた「まちの記憶研究会in高松」のメンバーである現役の小学校教諭とフリーの編集者と協議し、これからの新たな教育プログラムの提案とそれをサポートする教材開発もしくは書籍発行について具体的な検討を進めていきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
申請時には、海外および国内の事例調査旅費およびプレゼンテーション手法作成のための人件費等を予定していたが、新型コロナウイルスの発生などから当初の実施計画が困難となっている。特に海外事例調査の計画がたてられない状況から、研究成果の報告書もしくは書籍としてまとめていくための謝金や物品費として使用計画を検討しているところである。
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