研究課題/領域番号 |
18K11961
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研究機関 | 静岡文化芸術大学 |
研究代表者 |
黒田 宏治 静岡文化芸術大学, デザイン学部, 教授 (40329553)
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研究分担者 |
和田 和美 静岡文化芸術大学, デザイン学部, 教授 (40434534) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | デザイン政策 / デザイン振興 / アーカイブ / デザインプロモーション / デザイン史 / 通商産業省 / 日本産業デザイン振興会 |
研究実績の概要 |
2019年度には、前年度のデザイン振興政策資料の収集・整理等、並びにアーカイブWEBシステムの開発の成果を踏まえ、5月末に「文献検索」「あゆみ」「視点論点」から構成されるデザイン振興政策アーカイブhttps://design-archives.jp/の公開・運用を開始した。この時点では、「文献検索」掲載資料は約220件、うち資料内容を閲覧できるPDF化資料約120件(一部PDF化含む)、「視点論点」は4件であった。 以降、通産省・経産省関係、日本産業デザイン振興会関係等に、国際デザイン交流協会関係なども加え、デザイン振興政策資料の継続収集整理を実施した。年度後半には、それら資料の順次アーカイブ「文献検索」への追加公開、「視点論点」への項目追加、新たに設けた「研究フォーラム」コーナーでの関係情報発信を行っている。尚、2019年度末時点で「文献検索」」掲載資料総数は325件、うち内容閲覧できるPDF化資料228件(一部PDF化含む)、「視点論点」7件、「研究フォーラム」4件である。 また、2019年度下半期には、アーカイブに掲載したデザイン振興政策資料の背景や現代史上の文脈を読み解くことを目的に、戦後日本のデザイン振興政策の主要なテーマを対象に政策・事業展開の当事者であった専門家・実務者のインタビュー調査を行い記録化も行った。2019年度にはデザインイヤー、地場産業デザイン振興、国際デザイン交流協会設立などのテーマで8件のインタビュー調査を実施した。これら内容・要約は、今後アーカイブ掲載を検討するとともに、デザイン振興政策研究の基礎資料として活用の予定である。この中で複数の当事者を集めた「90年代のデザイン政策を聞く」はミニ・シンポジウム「日本のデザイン政策の歴史」の中で公開インタビュー方式で行い、その発言討議記録は「研究フォーラム」に掲載した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度には、当初計画通りデザイン振興政策アーカイブの公開運用を開始することができ、その後も継続的に政策資料の収集・追加登録を行い、デザイン振興政策研究の推進に役立つ基礎的なアーカイブ構築が行えたと考えている。また、主要テーマに関する当事者インタビュー調査等を通じた背景・文脈情報の掘り起こし、記録化を通じて、アーカイブ資料含めて実証的なデザイン振興政策研究の論点整理、実施準備も着実に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度には、引き続きデザイン振興政策資料の収集調査、アーカイブ掲載追加に努めるとともに、デザイン振興政策現代史の当事者インタビュー調査、デザイン政策動向ニミ・シンポジウムを計画中である。これらも踏まえ、戦後日本デザイン振興政策研究の論点整理、テーマを定めての研究推進、研究発表を検討中であり、本年度中にはそれらをとりまとめた調査研究報告書を編集・制作・発行、並びにアーカイブへの一部掲載の予定である。 ただ、現在新型コロナ禍のなか、第一四半期に予定したインタビュー調査、ミニ・シンポジウム等は延期とせざるをえず、研究スケジュールの見通しが立てづらい状況が続いており、予断を許さない。新型コロナに関する社会情勢も見ながら、場合によっては次年度への一部繰越も含めて、今後の研究スケジュールの再構築を考えたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度のアーカイブWEBシステムの開発及びデザイン政策資料購入等のため前倒し請求を行った関係で、2019年度もある程度の研究予算を確保するために前倒し請求を行い研究活動に取り組んだ。ただ2019年度は結果的に、デザイン政策資料の購入等で想定したほど費用が膨らまず、またインタビュー調査の実施・記録作成で費用の節約をすることもできたため、一部予算を2020年度に繰り越すことができた。それにより2020年度は、おおむね研究着手時に見込んだ予算枠の中で、おおむね当初予定した研究計画を遂行できる見通しである。
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備考 |
デザイン振興政策アーカイブの主な内容 「文献検索」:収録資料数325件、うちPDF化資料228件/「デザイン振興政策のあゆみ」:1950年代から2000年代まで10年単位で政策の流れと主な資料/「視点論点」:「審議会答申を読む1」「地方産業デザイン開発推進事業を振り返る」など7件/研究フォーラム:GDEステージトーク「日本のデザイン政策の歴史」など4件
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