研究課題/領域番号 |
18K11966
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研究機関 | 成城大学 |
研究代表者 |
新垣 紀子 成城大学, 社会イノベーション学部, 教授 (40407614)
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研究分担者 |
都築 幸恵 成城大学, 社会イノベーション学部, 教授 (00299885)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ソーシャルイノベーション / モチベーション / 萌芽プロセス |
研究実績の概要 |
本研究は、イノベーションの萌芽プロセスを明らかにすることを目的とする。 前年度までは、個人が地域の中に新しい活動の場を作り出し広めていく事例について検討してきた。今年度は、教育場面における活動に焦点を当て、教育の専門家ではない地域の住民が、20年以上前に、学校という異質な場に入り、そこで新たな活動を生み出し、その活動のボランティアを組織していき、学校に定着させていく過程に焦点を当てた。昨今は「地域に開かれた学校」というスローガンが聞かれるが、20年以上前においては、学校は先生の聖域としてとらえられていた。地域の住民や保護者が、学校教育に入っていき先生と協力して授業に準じた活動を行うようなことはほとんど想定されていない時代であった。その時代にあって、教育の専門家でない保護者や地域のボランティアが、学校側や他の保護者に対して提案し、許可を得、賛同するボランティアを組織し、活動を20年余にわたって定着させ、子どもたちにかけがえのない経験を与える読み聞かせ活動を行ってきた過程についてインタビューを行った。今や、学校教育の場で保護者や地域のボランティアが朝の読み聞かせをする活動は、非常に多くの小学校などで行われている。しかしながらそれがどのような形で始まり、活動の場が醸成されていったのかというプロセスは明らかにされていない。本研究では学校の中で保護者が教育にかかわる活動するということがほとんどなかった時代に活動をはじめ、その活動を学校の中に普及し20年余にわたり継続して活動を定着させた事例を分析することにより、新しい活動を生み出し定着させていくプロセスについて分析を行った。その中で、特に学校の中で保護者が教育にかかわる活動を定着させる上での問題点やそれを解決する過程、および活動を継続活性化するための、活動を支えるモチベーションの違いについて、整理、検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID19の影響により、年度末に予定していたインタビューおよび調査が十分実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、インタビュー調査の遅れを取り戻すために、ウェブ会議システムなども活用する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID19で、調査のためのいくつかの出張がキャンセルとなった。次年度は会議開催の動向を見つつ、成果をまとめて報告していく。
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