研究課題/領域番号 |
18K11966
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研究機関 | 成城大学 |
研究代表者 |
新垣 紀子 成城大学, 社会イノベーション学部, 教授 (40407614)
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研究分担者 |
都築 幸恵 成城大学, 社会イノベーション学部, 教授 (00299885)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ソーシャル・イノベーション / ボランティア / リーダーシップ / イノベーション |
研究実績の概要 |
本研究は,イノベーションの萌芽段階のプロセスを検討することである。今年度は,以下の3点を進めた。 (1)事例に基づくイノベーションの萌芽プロセスの検討を行った。専門家が分野を超えて社会問題を解決する活動を行なっている事例において,専門領域外の人との協働が問題解決過程へどのような影響を与えるかを検討した。その結果,専門領域以外の人との協同では,問題解決のための技術を得るだけでなく,問題を検討する際に異なる視点からの示唆を得ることで,新たな検討を進めることにつながり,それが問題解決プロセスのプロトタイプにつながっていることが検討された。現在分析をすすめており,今後結果をまとめ,報告する予定である。 (2)ボランティアリーダーシップのプロセスとモチベーションの検討を行った。ソーシャルイノベーションがボランティアリーダーによって先導されることも多く見られる。そこで、本研究では二十年にわたりボランティアリーダーとして地域貢献を行ってきた50代の女性の活動をケーススタディとし考察を行った。その結果、ボランティアリーダーのモチベーションは博愛的な信念およびリーダー自身の知的欲求などの要因が高かった。また、活動の過程でフォロワーであるボランティアたちのコミットメントを引き出すために、フォロワーに対して活動目標の共有などを通じてエンパワーメントを行うことに注力していた。フォロワーのボランティアへの動機づけは個人によって異なるが、リーダーはそれら多様な動機づけ要因と合致するような経験を与える環境を創っていた。現在,原稿にまとめ,報告予定である。 (3)事例研究によるソーシャルイノベーションの萌芽プロセスのモデルの検討を行った。本研究では主に医療や学校場面で,創造的な活動がどのように生み出されるのかの事例を検討した。コロナ禍との関連性について調査検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ対応のため,学会発表やインタビュー調査の計画が遅れた。しかしながら,コロナ禍における教育に関して開催した研究会において,イノベーションを多面的に検討した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は,オンラインを活用して国際会議に参加し,昨年度の成果を報告し,その結果をまとめて論文化する予定である。コロナ禍における教育のイノベーションについても検討を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際会議がコロナ禍で,延期となったため次年度使用額が発生した。次年度,国際会議に参加して使用する予定である。コロナ禍の教育イノベーションの調査にも使用する予定である。
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