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2021 年度 実施状況報告書

イノベーションの萌芽プロセスモデルの検討

研究課題

研究課題/領域番号 18K11966
研究機関成城大学

研究代表者

新垣 紀子  成城大学, 社会イノベーション学部, 教授 (40407614)

研究分担者 都築 幸恵  成城大学, 社会イノベーション学部, 教授 (00299885)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワードイノベーション / ソーシャル・イノベーション / イノベーションの受容 / 教育イノベーション / オンライン
研究実績の概要

イノベーションを検討する上で,大きな変革が起こった際にサービスの受け手がどのようにその変革を受容するかを検討する必要がある。本年度は,コロナ禍において,大きく変化した教育場面において,教育の受け手である学生が,オンライン化された教育場面において,どのようにオンライン授業を受け入れ,どのような教育効果を感じているかを明らかにするためにインタビュー調査を行った。調査の結果,変革前の大学における対面授業の経験の有無や,個人特性の違いにおける教育サービスの受容の違いが明らかになった。
コロナ以前の大学における対面授業の経験の有無においては,以前の経験者については,オンライン授業に対する効果と対面授業の特性に応じた教育効果を明確に区別していたが,対面授業の経験のない新入生においては,オンラインか対面かの違いによる教育効果の差異を感じていなかった。このように,授業のオンライン化という変化の受容には,それ以前の方式の経験の有無が影響するため,対面授業を経験したことのない新入生へは,配慮が必要であることが明らかとなった。
個人特性の違いでは,オンライン化により,社会的な要因が低減されることの影響が見て取れた。対面における他者とのさまざまなやり取りについて負担を感じている一部の学生は,オンライン授業に対し,授業内容に集中して学習を進めることができるメリットを感じ,対人的な困難さや地理的な問題から授業への参加が困難であった学生が授業に参加できるというオンライン化による副次的な効果も観察された。また,対面における授業で,他者との議論により得られる知見を重視する学生においては,オンライン化により,他者からの刺激が減ることによるデメリットを感じていた。このように,個人特性に応じた,授業形態の変化に対する受容に違いがみられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ禍の教育場面でのオンライン活動の事例について検討を進めた。

今後の研究の推進方策

本年度は,これまでに得られた知見をまとめ,学会での報告や論文化を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

学会報告が遅れたため次年度使用額が発生した。次年度,学会報告および論文化に使用する予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] コロナ禍のオンライン授業の満足度と関連する要素:新入生と在学生の相違2022

    • 著者名/発表者名
      新垣紀子・都築幸恵
    • 雑誌名

      社会イノベーション研究

      巻: 17(1) ページ: 105ー117

  • [雑誌論文] 大学生のオンライン授業に対する評価とパーソナリティ特性との関連2022

    • 著者名/発表者名
      都築幸恵・新垣紀子
    • 雑誌名

      社会イノベーション研究

      巻: 17(1) ページ: 119-131

  • [雑誌論文] 特集「オンラインの認知科学」の編集にあたって2022

    • 著者名/発表者名
      粟津俊二・石川悟・新垣紀子
    • 雑誌名

      認知科学

      巻: 29(2) ページ: 印刷中

    • DOI

      10.11225/cs.2022.022

  • [学会発表] Analysis of discussion processes for collaborative idea generation among university students2021

    • 著者名/発表者名
      Shingaki, N. , & Tsuzuki, Y.
    • 学会等名
      32nd International Congress of Psychology
    • 国際学会
  • [学会発表] Psychological predispositions underlying individual judgments on specific policy positions2021

    • 著者名/発表者名
      Tsuzuki, Y., & Shingaki, N.
    • 学会等名
      32nd International Congress of Psychology
    • 国際学会
  • [学会発表] オンラインでは何が違うのか2021

    • 著者名/発表者名
      新垣紀子
    • 学会等名
      日本認知科学会第38回大会
  • [図書] 心理療法の多元的アプローチと個別化されたケア:ケアの受け手が与え手と共創するケアのあり方『縮小社会における法的空間』2022

    • 著者名/発表者名
      都築幸恵
    • 総ページ数
      15
    • 出版者
      日本評論社

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公開日: 2022-12-28  

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