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2019 年度 実施状況報告書

態度形成のプロセスに着目した 教育者向けデザイン学習プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K11967
研究機関専修大学

研究代表者

上平 崇仁  専修大学, ネットワーク情報学部, 教授 (20339807)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワードデザイン態度 / デザイン教育 / デザイン思考 / ワークショップ / Co-Design / 情報教育 / 情報デザイン / 協働デザイン
研究実績の概要

研究計画をもとに、2019年度は引き続き「1)デザイン態度の形成プロセスに関する調査」と「 2)教育者の学習コンテクスト調査」に取り組み、「3)教育者に対する「デザイン態度」に関する視点の提案」に進んだ。
1)に関しては、デザイン態度に関する教育活動(産技大大学院)のための教材資料化を行った。当該資料は「デザインにおける態度/姿勢の問題」としてまとめ、単著の中に収録予定である。また、デザイン実務者へのインタビューを行った。特に美術外のバックグラウンドを持つデザイン実務者へのインタビューを通して、仕事にとりくむ態度には本人の多様な経験が反映されており、造形的なデザインに対しても接続していることが示唆された。このインタビューを元にモデル化をおこなう予定である。
2)に関しては、前年度に制作した冊子「すべての人がデザインを学ぶ時代に向けて」が接点を生んだ。埼玉県の高校教員で組織されている埼玉県情報教育部会への招待を受け、次期学習指導要領における情報デザイン教育と教育者が持つべき態度についての招待講演とワークショップをおこない、意見交換を行った。参加した教員から多くのフィードバックを得て、情報Ⅰへの知見提供とともに研究への協力者を増やすことが出来た。
3)に関しては、これまでの研究結果を元に考察を行い、おおまかなアウトラインを構想した。オーストラリアのロイヤルメルボルン工科大学(RMIT)を訪問してデザイン教育の調査を行い、どのようにカリキュラムに取り入れていくかの検討をおこなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2019年度に取り組んだ「1)デザイン態度の形成プロセスに関する調査」と「 2)教育者の学習コンテクスト調査」の項目については、おおむねと当初の予定通りに実施することができたが、重要な春季休暇期に新型コロナウイルスによる自粛の影響で、企画していた多数のインタビューやワークショップを行うことができなかった。そのため計画が遅れることとなった。
1)の態度形成のプロセスについては、昨年度に得た仮説をもとにより詳細な検討を行った。あるデザイン実務者のインタビューで、「野球のシャドーピッチングで得たトライ&エラーとリフレクションの経験がユーザインタフェースをデザインする際に生きている」という声を得た。このように、必ずしも造形基礎だけがデザインの素養につながっているわけではない。他の分野の経験が生きるこことは高校の情報教員にとっても大変有用であると思われるので、非美術系デザイナーの熟達化プロセスをより詳細に追うことにする。
2)の教育者の学習コンテクスト調査については、引き続き情報科教員との交流を通して教員の学び方を調査し、デザイン学習に関しての手がかりをさぐった。SNS上での観察によると、情報発信している先生達は総じて研究熱心であり、学校外でフィードバックし合う関係構築ができていることがわかる。
3)に関しては、デザイン態度についての考えを文章化することで大幅に整理することができた。本研究の成果を届ける層は、幅広い人々に求められていることから、高校教員を中心としつつ、企業におけるマネージャー層も対象とする。そしてデザインにおける態度を、持って生まれたものではなく学んでいけるものと考える立場に立つ。プロであるかどうかに関係なく、デザインする活動に通底する思想で、万人にとって重要な視点と捉えるものである。

今後の研究の推進方策

令和2年度は5カ年の研究計画の3年目である。ここまで取り組んできた「1)デザイン態度の形成プロセスに関する調査」と「 2)教育者の学習コンテクスト調査」を統合しながらアウトプットを模索するフェーズに入る。これまで得た知見を反映させながら具体化した教育者向けデザイン学習プログラム(冊子/ワークショップメニュー等)の開発に着手する。しかしながら現状フィールド調査やワークショップ等の実行計画を立てられないので、基本的にオンラインでの活動を中心としたい。プロトタイプを通じて、オンラインで研究者と議論し、教育者が持つべきデザイン態度の育成に関する要点についての考察を行う。

次年度使用額が生じた理由

2019年度は夏期休暇に海外(オーストラリア)での研究者との意見交換と情報収集を行い、冬までは予定通り進行していたが、春季休暇期間以降に研究活動を行えなかったため、大幅に研究計画の見直しが必要となっている。オンライン中心の研究環境を構築するために、さまざまな機材(オンラインワークショップに必要な動画処理を行うコンピュータ、ソフトウェア、通信環境など)が必要である。またツール開発における議論やプロトタイプ作成において、消耗品(紙・工作道具・ポストイット・インクカートリッジ)等が必要である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 多角的な「問い」を生成するためのロールプレイイング型発想ツールの提案2019

    • 著者名/発表者名
      上平崇仁, 鈴木望果
    • 学会等名
      日本デザイン学会

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公開日: 2021-01-27  

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