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2020 年度 実施状況報告書

人間の認知特性からみた都市パターンの設計基準に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K11974
研究機関大阪工業大学

研究代表者

西應 浩司  大阪工業大学, ロボティクス&デザイン工学部, 教授 (70364239)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード空間認知 / 都市計画 / 迷路探査 / 視線計測
研究実績の概要

本研究では、付属的サインを減らし、わかりやすく覚えやすい街路を設計する方法として街路自体が空間構造的サインの機能を持つデザインの可能性を検討する2種類の代表的な空間構造を持つ街路パターンで構成したルートを設定し、歩行時の主に視覚に関するデータを分析し、街路の認知特性について検討する。その結果から、将来的な都市計画において、分かりやすく記憶に残る街路を設計する基準を考えるうえで配慮すべき要素となる知見を得ることを目的とする。
経路探索実験の結果から、平均歩行速度において格子状街路パターンの多い街路Bの歩行速度が最も高かったことに対して、不規則に曲がった街路パターンの割合の多い街路Cの数値が最も低い結果がでた。それに加え視線計測実験において街路Cの視線計測数の総量が他よりも多いことから不規則に曲がった街路パターン割合が多いと周囲を確認する時間を必要とするため歩行速度も低かったと推測される。
全街路を合計した分析から立体的なサインである建築要素より平面的なサインである道路要素の視線計測数が多いことが判明し、経路探索においてのサインとして重視しているのは道路要素だといえる。
実験回数別の分析により2回目以降の道路要素は視線計測数が上昇している。ここから、道路要素の記憶は減衰しやすい為、短期的な記憶を目的としたサインには適してはいるが、日数を経るような長期的な記憶を目的としたサインには適していないことが推測される。それに対して、建築要素は2回目以降の視線計測数が低下しており、建築要素の記憶は減衰しづらく長期的な記憶を目的とした目印に適しているといえる。また、街路別分析から街路AとBは奥行意識が強く、手前と奥を区別した空間認識を行った歩行の傾向が強く、街路Cは奥行意識が弱く奥にある建物は区別せず手前の道路と視界の左右側面を重視した空間認識を行った歩行の傾向が強い事が推測される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ感染拡大による実験期間の延長が影響し、実験データの分析が遅れている。

今後の研究の推進方策

同大学、他学科の研究者と検討しながら、未だ分析を終えていないデータについて分析を行い、結果から十分な考察を加えて研究目標の達成を目指す。

次年度使用額が生じた理由

コロナ感染拡大の影響で研究の進捗に遅れが生じた。
データーの安全性を高めるためバックアップ用の機器あるいはメディア(HDなど)の購入を計画している。

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公開日: 2021-12-27  

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