研究課題/領域番号 |
18K11978
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研究機関 | 熊本高等専門学校 |
研究代表者 |
永田 和生 熊本高等専門学校, 情報通信エレクトロニクス工学科, 准教授 (70435486)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 色覚 / 色弱の程度の測定 / 色覚とWeb |
研究実績の概要 |
平成30年度からの交付に先んじて、研究計画に挙げていた「課題1:色弱の程度を測定する方法の考案と実証」について研究会論文を投稿し、平成30年3月に採録された。この論文では、Web文章中の2ヶ所に赤色着色単語を含ませ、片方の赤色強度を下げながら、被験者がどちらの単語を早く発見するかを集計し、色弱の程度を同定する方法を試みた。いくつかの後処理の手法を比較してところ、P型色弱の被験者の特性をほぼ再現できる手法を見出した。 上記の研究の内容を発展させたものを研究会論文として投稿し、平成31年3月に採録されている。この論文では、Web文章中の1ヶ所に赤色着色単語を含ませ、赤の強度を変えながら、被験者が発見に要する時間を測定することで、色弱の程度を同定する方法を試みた。いくつかの後処理の手法を比較してところ、P型色弱の被験者の特性をほぼ再現できる手法を見出した。 研究計画に挙げていた「課題2:強調箇所をどのように変換すれば良いのか?」については、基礎的研究の結果を平成30年9月に講演会論文として投稿し、採録されている。この研究では、文章中に赤文字で書かれた重要箇所に、どのような強調装飾を付加すれば色弱者に対する高い誘目効果が得られるのか、実験によって評価した。結果として、赤色着色単語に着色以外の強調装飾を施すことで、色弱者に対しても一般色覚者と同程度の誘目効果を得られることがわかった。また、強調装飾の中でも背景色と白抜きの付加が有効であることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に列挙した3つの課題のうち、2つについて上記の論文により基礎的な研究成果が得られたと考える。
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今後の研究の推進方策 |
一つ目として、色弱の程度を測定する手法の後処理について、現在は人間の手作業によるものであるため、今後はこの自動化を進めたい。 二つ目として、これまでに得られた研究成果をもとに、色弱者それぞれの色弱の程度に合わせた着色文字変換の最適化について検証を行いたい。 三つ目として、Webコンテンツ内の赤色着色文字の自動検出手法について実装を図りたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
業務都合などにより、予定より国内研究会への参加回数が少なかったことで、旅費の支出が当初計画よりも下回ったため。
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