COVID-19の世界的流行により、予定していた海外出張を行うことができなかったものの、5月にマールブルクで開催が予定されていたMELCOMインターナショナルの国際会議が中止になった以外は、オンラインによる開催が主となり、出張せずとも参加できるようになったため、予定していたよりも多くの会議に参加することができた。 6月にDigital Orientaslistツイッター会議、7月にリンクト・データに関するシンポジウム2020 LD4会議、10月にオンラインにより開催されたMELA 2021に参加したほか、国内では日本図書館研究会の大会、関西で開催される例会研究会などに参加することができ、アジア資料および情報資源全般の組織化に関して最新の動向に触れる機会は確保することができた。また、「図書館を学ぶ相互講座」第10回「図書館でつなぐアジアの知」の会に参加して、アジア研究図書館のコンセプトおよびアジア研究図書館分類表について概要の発表を行った。 11月には、第4回目となる目録作成ワークショップ「ウルドゥー語編」をオンラインで開催し、図書館員を中心とした目録作成の方法や課題の共有を行った。オンラインにしたことで、これまで参加のなかった九州や神戸からも参加があった。アラビア文字・ラテン文字入力パネルを改良し、中央アジア諸言語に対応したキリル文字パネルを新規に作成し、github上で公開した。 また、新たに創刊されたオンラインジャーナル『メタデータ評論』において、アジア資料を中心とした外国語資料の図書館目録データにおける分類の付与率の統計と、目録作業の人員確保に関する提言を行った。以上のように、出張による対面での情報交換は大幅に制限されたものの、オンラインでの参加によって、資料の組織化を軸に、アジア研究およびイスラーム地域研究と図書館情報学の間の交流を進めることができた。
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