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2019 年度 実施状況報告書

匿名化技術とそれを用いた内部通報プラットフォームに関する調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K11993
研究機関駿河台大学

研究代表者

八田 真行  駿河台大学, 経済経営学部, 准教授 (70608893)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード匿名化通信技術 / ダークウェブ / Tor / I2P / オープンソース
研究実績の概要

本研究は、TorやI2Pに代表される「匿名化通信技術」と、それらを用いた内部通報プラットフォームに関して、その実態や、法的・社会的な位置づけを明らかにすることを目的としている。
その一環として本年度は、I2Pを介した完全匿名・分散型のメッセージング・サービスであるI2P-Boteの開発を行った。従来の匿名化通信技術の弱点の一つは、技術的な素養がないユーザにとっては極めて使いにくく敷居が高いところにあったが、I2P-Boteは、I2PプラグインとしてはSMTP/IMAPサービスを提供して従来の電子メールをそのまま代替することが可能であり、スマートフォン向けにAndroid用のアプリも用意している。近年香港やベラルーシでの市民運動でTelegramやSignalといった匿名メッセージング・アプリが活用されていると報道されているが、I2P-Boteには中央集権的なサーバを必要としないという点で技術的優位性があり、今後、匿名内部通報における内部通報者とジャーナリスト等との情報交換においても活用が見込めると考えられる。2019年7月には、次世代のセキュアなメッセージングに関する会合OTRv4 Summit(於ストックホルム)にも参加して、世界の開発者らと意見交換を行った。加えて、いわゆるダークウェブにおける脆弱性の検出や情報収集のためのツールとして、OnionScanの改良を行った。
これらの経験を踏まえた上で、匿名化通信技術の分類や語彙の整理、匿名性の分類などの研究にも取り組んだ。また、オンライン・プラットフォームの規制のあり方や、ネットにおける匿名の誹謗中傷の伝播に関しても予備的な研究を行い、国際学会等で発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究そのものは特に問題無く推移していると考えているが、ソフトウェアの開発に時間を取られがちなので、データの整理と論文化を急ぎたい。

今後の研究の推進方策

予定通り、今後は内部通報プラットフォームの実態調査とデータ整理、論文化へと移りたい。中国や香港における調査も計画しており、2019年12月には香港を訪問してインタビューしたが、政治的なリスクの高まりのため、今後現地を訪問する形でのフォローアップは困難と思われるので、対応を考えたい。

次年度使用額が生じた理由

実際には国際学会への出張旅費や技術論文の購入で支出を行ったが、多忙や体調不良により年度内に精算を終わらせることが出来ず、翌年度に計上することにしたため。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 その他

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 備考 (2件)

  • [学会発表] Debunking toxic "Matome sites" in Japan2019

    • 著者名/発表者名
      Masayuki Hatta
    • 学会等名
      REVULN 19Q4
    • 国際学会
  • [学会発表] プロトコル・ベースのプラットフォーム規制2019

    • 著者名/発表者名
      八田真行
    • 学会等名
      情報通信学会2019年度秋季(第41回)大会
  • [備考] I2P-Bote

    • URL

      https://github.com/mhatta/i2p.i2p-bote

  • [備考] OnionScan

    • URL

      https://github.com/mhatta/onionscan

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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