研究課題/領域番号 |
18K11997
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
藤代 裕之 法政大学, 社会学部, 准教授 (30403687)
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研究分担者 |
川島 浩誉 法政大学, その他部局等, 講師 (40649076)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | フェイクニュース / ミドルメディア / ソーシャルメディア / ニュース / ジャーナリズム / ハイブリッド戦 / ニュースの生態系 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,国内におけるフェイクニュースの生態系を明らかにすることであり,その生態系にミドルメディアが重要な役割を果たしている可能性があると考え研究を進めている。 2018(平成30年)度は,当初計画通りに,研究と実践活動が融合して進展する海外の調査を実施した。アメリカにおいては,ワシントン州立大学バンクーバー校やスタンフォード大学において,フェイクニュースに対抗するためのメディア・リテラシーの取り組みを調査した。ヨーロッパにおいては,EUが設置したハイブリッド脅威対策センター(The European Centre of Excellence for Countering Hybrid Threats)やリトアニア国防省や外務省において,ハイブリッド戦におけるフェイクニュースの位置づけや追跡手法について調査を行った。また,アジア地域のファクトチェック団体が取り組みを共有する「APAC Trusted Media Summit 2018」に参加し,GoogleやFacebookなどが行うフェイクニュース対策の実践的なトレーニングや,アジア地域のフェイクニュースの実態を把握した。2018年9月に行われた沖縄県知事選挙に関して地元の地方紙である沖縄タイムスの協力を得て,フェイクニュース検証報道に関するヒアリング調査を実施した。 これらの調査をもとに,日本マス・コミュニケーション学会の研究発表会において,「フェイクニュース」時代のメディア・リテラシー教育を考える(耳塚佳代,藤代裕之)と題したワークショップを行い,さらに研究を深めた。また,雑誌外交に「欧州民主主義国家を襲うフェイクニュースの脅威」(藤代裕之)を寄稿したり,各調査についてのサマリーをYahoo!ニュースの記事として発信したり,研究内容に関心を持ってもらうためのアウトリーチ活動を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究実績の概要で述べたように,アメリカとヨーロッパへの海外調査は当初の計画通り進捗している。それに加え,アジア地域のフェイクニュースの実態把握や沖縄県知事選挙に関するフェイクニュース検証報道に関するヒアリング調査を実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
ジャーナリストらの協力を得て研究会を立ち上げ,海外調査などの知見を国内に応用するための分析を開始する。フェイクニュースを特定するとともに,関連するソーシャルメディアのデータを収集していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者が,スケジュールの都合で海外調査に同行できなかったため。 次年度は,研究会の実施,フェイクニュースの特定や関連するソーシャルメディアのデータ収集に使用する予定である。
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