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2018 年度 実施状況報告書

日韓関係に与える空気の影響

研究課題

研究課題/領域番号 18K11998
研究機関東京都市大学

研究代表者

李 洪千  東京都市大学, メディア情報学部, 准教授 (80621200)

研究分担者 小川 恒夫  東海大学, 文化社会学部, 教授 (60256162)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード空気 / 日韓関係 / 国民情緒
研究実績の概要

研究計画に従い、2018年度は研究体制の構築と資料収集と研究概念に対する検討を行った。研究分担者と研究協力者を含め、日韓関係に経験豊かなメディアの実務者を研究グループに招き入れ、研究計画の再検討を行った。

まず、韓国における類似概念の検討を行った。新聞報道、韓国に駐在経験のある外交官の寄稿から空気的な概念をもつ表現を探し、その内容に対して韓国で使われている文脈を検討した。概念は、社会的圧力をもつこと、社会的制裁が伴うことの2つ特徴をもっていることに限定した。概念の抽出は政治報道、社会報道、コラムから社会と政治に批判的な論調のニュースから行われ、国民情緒、時代精神、積弊清算の3つが研究対象として選択された。

検討の結果、韓国では関連概念のアカデミックなアプローチは少なく、関連概念をキーワードとして取り上げている論文(ここでは国民情緒)は7本しか確認できないほど、学問的な検討が十分ではない。また、国民情緒はマスメディアよりインターネット上で言及されることが多く、日韓関係において使われている事例は少ない。
今回は、日韓関係において国民情緒が使われている事例を新聞のコラムから発見し、その内容に対する検討を行った。コラムでは、最近日韓の間に懸案になっている事例を例にあげてそれらの案件には国民情緒が強く作用していることと述べている。また、それらの案件において国民情緒に反する行動を行った場合は、社会的制裁を受けることを覚悟しないといけないことを示している。実際、そのような制裁を受けたケースを確認し、関連資料を集め、次年度の検討課題とした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初計画されていた、資料収集や現状把握とヒアリングが遅れている。

今後の研究の推進方策

2019年度は、研究計画通り5つの研究課題を遂行する。

まず、嫌韓本を収集しデジタル化した後、その内容をデータベース化し内容分析を行う。それによって嫌韓の主張がどのようなテキストによって構成されているのかを分析する。次に、空気の存在の確認とその内容を調べるための日韓同時アンケート調査を実施する。そのための質問紙作成と調査会社の選定を行う。さらに、政府関係者、特派員、駐在員などを対象にヒアリングを行う。最後に、新聞報道を収集し、内容分析を通じてメディアにおける空気の生成過程について検討する。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由は、現状分析のためにソフトウェアの選定と購入を次年度以降に見送ったことと、ヒアリングのための予算を執行しなかったことによる。2019年度で実施する予定のアンケート調査のための費用が予想より高くなることが予想されること、次年度の資料収集の範囲を増やすことから計画時に計上していなかった費用が発生する予定である。次年度の使用額はこれらの支出をカバーするために使われる計画である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] 嫌韓の情報源に関する分析2019

    • 著者名/発表者名
      李洪千
    • 雑誌名

      情報メディアジャーナル

      巻: 20 ページ: 88-95

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 韓国の側から見た日韓関係の現状と提言2019

    • 著者名/発表者名
      李洪千
    • 雑誌名

      法と民主主義

      巻: 537 ページ: 28-31

    • オープンアクセス

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公開日: 2019-12-27  

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