研究課題/領域番号 |
18K11999
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
佐藤 洋一 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (10277832)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ヴァナキュラー写真 / オフィシャル写真 / 占領期 / 米軍 / 戦後 / 東京 / 写真アーカイブ / 都市史 |
研究実績の概要 |
4月より半年にわたって米国に滞在し、各地の図書館等でパーソナル写真の史料調査を行なった。訪問研究機関数22、閲覧したコレクション数は74で、閲覧後にデジタル複写をするという作業を繰り返し、撮影カットは6万枚ほどとなった。昨年度の撮影分も合わせ、計9万枚ほどである。9月末に帰国した後、データの整理を行うとともに、調査研究の発表を公的な研究会から私的な懇談会なども含め、9回おこなった。場所は、早稲田大学(20世紀メディア研究会など)、東京大学東洋文化研究所、大手前大学(交流文化シンポジウム)、京都文化博物館、京都大学人文科学研究所、 Tokyo Littlle House(東京赤坂)、アーツ千代田3331などである。それぞれの内容に重なる部分もあるとはいえ、基本的には各回共発表内容は別である。さらにこれらと並行して、20世紀メディア研究会、デジタルアーカイブ学会へ論文の投稿をおこなった。前者は今回主な調査対象であったパーソナル写真に対置されるオフィシャル写真を取り上げた。朝鮮戦争時の米陸軍通信隊の文書をもとに、オフィシャル写真がコレクションとして収められるまでのフローを明らかにし、どのような局面で写真の「オフィシャル性」が問題とされていたのかを明らかにした。後者は、米国に所在する日本国内で撮られた写真をデジタル化した上でどのように「里帰り」させるのか、という社会デザイン的な課題に関して、いくつかの方法を提案している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りに調査を実施できた。
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今後の研究の推進方策 |
①現地調査・米国にて追加調査を予定している。渡航が可能となったら実施する予定である。 ②写真を「里帰り」させる一つの方法として、2021年に京都にて、1940-50年代の日本にて撮影されたカラー写真による展示を開催予定であり、そのためのリサーチ等をすすめる。 ③同じく終戦直後に銀座で撮影された写真に焦点当てたリサーチも進めており、このテーマで一つ論文を執筆する予定である。 ④写真そのものの紹介としては、ある人物に焦点をあて書籍・展示などで国内へ紹介をしていく企画を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
米国調査旅費のうち、会計処理上私費負担分が増えたため、科研費からの計上分が相対的に減少したため。現状では本年度の現地調査に充てる予定である。
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