研究課題/領域番号 |
18K12004
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
水本 有香 神戸学院大学, 現代社会学部, 准教授 (00735053)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 災害資料 / アーカイブ |
研究実績の概要 |
国内の事例として,2004年に発生した中越大地震および9年前に発生した東日本大震災の事例を継続調査した。毎年,開催される東日本大震災に関する災害資料のシンポジウムにおいて,震災伝承施設の海外の事例として,ハワイの太平洋津波博物館(Pacific Tsunami Museum)の取り組みが館長のマーリーン・スー・ムリー氏から紹介された。同館は,1946年の津波,1960年のチリ地震津波で大きな被害を受けたハワイ島ヒロ市に設立された。ヒロ市は,歴史のある街で,1913年に日本人移民が開いたSHINMACHIも津波によって甚大な被害を受け,現在は大きな広場になっている。今年2020年は,チリ地震津波から60周年にあたり,周年事業が予定されていることが分かった。ほかに,北海道胆振東部地震の被災地である厚真町や熊本大学,国立国会図書館,釜石市の防災学習施設,東日本大震災津波伝承館(いわて TSUNAMI メモリアル)の事例が紹介され,震災デジタルアーカイブの課題について情報収集を実施した。東日本大震災津波伝承館(いわて TSUNAMI メモリアル)周辺は現地において調査を実施した。海外の事例については,東日本大震災の発生した前月2011年2月にカンタベリー地震が発生したニュージーランド南島のクライストチャーチにおいて作成された災害資料の所在をニュージーランド国立公文書館およびカンタベリー博物館等において調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス(COVID-19)の影響により,2008年に四川大地震が発生した中華人民共和国において災害資料に関する現地調査をはじめとした国内外の現地調査を中止しなければならなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス(COVID-19)の影響により海外における現地調査の予定が不明なため,これまでの海外における現地調査結果およびオンラインを通じて先進国だけではなく,開発途上国の自然災害アーカイブ優良事例の検証を,多様な主体が,特定の災害に備えるだけではなく,多元的,多面的な対策を行うことができる自然災害に関するアーカイブの枠組みを継続して明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス(COVID-19)の影響により国内外の現地調査の計画を変更したため。これまでの海外における現地調査結果の検証を次年度に実施する。
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