研究課題/領域番号 |
18K12004
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
水本 有香 神戸学院大学, 現代社会学部, 准教授 (00735053)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 災害資料 / アーカイブ |
研究実績の概要 |
2020年1月ごろから国内外において感染が拡大した新型コロナウィルス(COVID-19)の影響により,すでに計画していた国内および海外への出張取り止めおよび新規の国内および海外への出張が計画することが困難であったが,災害資料保存の事例として,1995年の阪神・淡路大震災の「紙のログハウス」や「紙の教会」(神戸市長田区),2011年の東日本大震災に活用された「避難所用間仕切りのシステム」,2008年の中国・四川大地震の復興支援において「成都市華林小学校紙管仮設校舎」,2011年のニュージーランド・カンタベリー地震において「紙の大聖堂」を建てるなど,災害支援活動を続けている坂茂氏の35年にわたりおこなってきた設計活動の写真,図面,映像,実物大模型など災害資料が保存されていることが明らかになった。国内の事例としては,東日本大震災・原子力災害伝承館は,2011年3月に発生した東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故という世界初の甚大な複合災害の記録を伝える施設として,発生から10年を迎え2010年9月20日に開館した。同様の災害の被害を伝える施設は,東日本大震災の甚大な被害を受けた岩手県,宮城県,福島県にそれぞれ設置され,福島県の施設が最後に建てられた。福島県の施設のコンセプトが発表された2018年当時,兵庫県神戸市中央区にある阪神・淡路大震災記念人と防災未来センターと酷似しており,施行会社も(株)トータルメディアと同一であるため,災害展示の在り方の類似性が明らかになった。海外の事例については, 1755年,ポルトガルの首都リスボンにおいて発生した大地震(リスボン地震)および津波によって,作成された災害資料をポルトガル語から日本語へ翻訳,調査を継続した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国内外において感染が拡大した新型コロナウィルス(COVID-19)の影響により,すでに計画していた国内および海外への出張取り止めおよび新規の国内および海外への出張が計画することが困難であったため。
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今後の研究の推進方策 |
国内外の出張が計画,実施が困難な期間は,文献調査,インターネット,デジタルなどによる分析結果の検証を通じて,多様な主体が,特定の災害に備えるだけではなく,多元的,多面的な対策を行 うことができる自然災害に関するアーカイブの枠組みを明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年は,東日本大震災発生から10年を迎え,国内外において感染が拡大した新型コロナウィルス(COVID-19)の影響により,災害アーカイブに対する研究会,シンポジウム等が実施されたがすべてリモートによる開催であったため,計画を変更し,未使用額が生じた。このため,新規の国内および海外への出張が計画することが困難であり,東日本大震災の災害アーカイブの検証を次年度に行うこととし,未使用額はその経費に充てることとしたい。
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