研究課題/領域番号 |
18K12005
|
研究機関 | 仙台高等専門学校 |
研究代表者 |
脇山 俊一郎 仙台高等専門学校, 総合工学科, 教授 (10201154)
|
研究分担者 |
藤原 和彦 仙台高等専門学校, 総合工学科, 准教授 (70390391)
矢島 邦昭 仙台高等専門学校, 総合工学科, 教授 (90259804)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | エリア放送 / 放送視聴可能域可視化 / 地域情報発信 / 放送コンテンツ自動生成 |
研究実績の概要 |
本研究課題は、①電波伝搬シミュレーションソフトを用いた電界強度分布の把握と測定器による信号強度・信号品質の実測より、実際の視聴エリアを同定・把握する、②PC画面に情報素材を配置しその画面を放送コンテンツとするという基本構想に基づき、ネットワークから取得できる各種情報素材に処理を施し、それらをあらかじめデザインした放送画面イメージのフレームにスケジューリングしたうえで順次マッピングすることで変化のある放送コンテンツとして生成する手法を確立する、の2項目からなる。 研究項目①については、平成30年度に開発した受信アンテナの指向性を考慮した実際の視聴エリア推定手法について、北海道安平町のエリア放送を対象に現地での電波計測を実施し、シミュレーション結果との比較検討を行った。また、可視化ツールの改良も引き続き行っている。 研究項目②については、導入した気象観測システムのデータや気象庁が提供する各種情報を情報素材として扱い、一方、道路情報については国土交通省が提供する道路監視カメラの映像や道路情報版の掲示情報の利用を前提に、マッシュアップによる具体的な放送コンテンツの画面構成を設計し、宮城地区まつり会場にて地域住民を対象にアンケート調査により評価を行った。設計した放送コンテンツの画面構成を実現するために、地域情報収集システム、カメラ画像配信システム、放送コンテンツ生成・送出システムの3つのサブシステムからなる構成として地域情報発信システムを再設計した。気象情報と道路情報については地域情報収集システムによる自動収集に目途がつき、気象情報を例に放送コンテンツ生成・送出システムによる放送画面の生成の実験を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究項目①については、視聴可能域可視化ツールの処理速度向上やユーザインタフェース改良がの進捗がやや遅れており、これを加速する必要がある。また実測値との比較による検証についても、フィールドでの実験を重ねる必要がある。 研究項目②については、具体的な放送コンテンツの画面設計が進み、また必要な情報の自動集にも目途がついてきたが、放送コンテンツ生成・送出システムの実装方法については、現在のプロトタイプではコンテンツを時間変化させる仕組みに難があり、これの改良に手間取っている。
|
今後の研究の推進方策 |
研究項目①については、エリア放送視聴可能域可視化ツールの改良を進めるほか、周辺地域のより多くの地点でエリア放送電波の計測を行い、実測値との比較検討を進める。 研究項目②については、課題となっている放送コンテンツ生成・送出システムの実装方法の検討を進め、時間変化を伴った放送コンテンツの生成・送出を可能としていきたい。また放送コンテンツの素材となるカメラ画像の取得・利用についても、カメラ画像配信システムの実装に注力する。できるだけ早期に地域情報発信システムとしての機能を実現し、実証実験のフェーズに移行できるようにしたい。 これまでの研究成果をもとに、地域情報発信基盤構築における課題の整理と具体的な解決法の提案を行うとともに、エリア放送の問題点やエリア放送に代わる・補完する情報発信についても提案していきたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
予算執行時に生じた少額の端数であり、次年度において適切に処理できるように留意する。
|