研究課題
本研究では嫌悪感の諸相を明らかにすることを目的としている。2019年度は,トライポフォビアのフィールド研究を中国雲南省で行った結果をまとめたものをPeerJ誌にて報告した (Zhu, Sasaki, Jiang, Qian, & Yamada, 2020)。この研究では主にハニ族とタイ族をターゲットとして調査・実験を行ってきたが,彼らのトライポフォビアは一般的な漢民族よりもかなり弱いことが明らかとなり,住居環境の都市化と関連している可能性について考察を行った。それと並行してオープンサイエンスの取り組みも進めた。特に直接的追試研究を多く行っている。それらは事前審査付き事前登録されており,1本は心理学評論誌に掲載された(佐々木・米満・山田,2019)。現在他にもいくつものプロトコルがNature Human Behaviour誌,Royal Society Open Science誌,Cognitive Research: Principles and Implications誌,F1000Research誌などの国際誌において第1段階採択された。
1: 当初の計画以上に進展している
事前登録された研究は非常に順調に進んでいる。特にNature Human Behaviour誌での第1段階アクセプト (Coles et al., 2020) は顕著な業績と言える。
今後は嫌悪感,身体化関連の研究を一層進展させる。現在,さらにいくつもの行動免疫関係の研究が進展中である。これらの期間内での第1段階アクセプト,あるいは最終的な公表を目指す。
新型コロナウイルス感染症の蔓延により,多くの出張がキャンセルされ,さらには被験者への謝金に使用する予定だった金額も,実験室実験の中止により使用が抑えられたため。次年度には感染症流行の収束後,すぐに実験等を実施できるよう,物品面での準備を整えておく。
すべて 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 7件) 図書 (1件) 備考 (1件)
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