研究実績の概要 |
本研究では嫌悪感の諸相を明らかにすることを目的としている。2020年度は,昆虫食に関する実験をFrontiers in Nutrition誌にて報告した(Qian &Yamada, 2020)。この研究は食品への嫌悪感と細菌への印象との関係性を検討した。また,Royal Society Open Science誌では感染関連行動への防止的メッセージの効果についての検討結果を報告した (Yonemitsu et al., 2020)。その他,複数の雑誌でコロナ禍における心理学的研究結果を報告した。それと加えてオープンサイエンス・研究公正関連の研究も進め,Liu, Yang, & Yamada (2020)では不正が生じる環境要因をregistered reportとして探索し,Cognitive Research誌にて報告した。あるいは,130名の国際的コラボレーションによって全世界17万人から得られたデータについてもデータ記述子としてScientific Data誌に報告した (Yamada et al., 2021)。あるいは学術出版に関しても議論を多く行い (Yamada, 2020, 2021),事前登録制度の入門編的論文も出版した (長谷川ほか,印刷中)。上述のように,コロナ禍において実験実施や海外での現地調査は困難になったものの,その中で可能なことを随時行った。嫌悪感は新型コロナウイルス感染症とも関係しているため比較的当初の研究目的と合致した研究を行うことができたが,2020年にできなかったことは次年度でぜひとも検討したい。
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