本研究によって,我々は将来的な技術変革や社会的情勢変化によって生ずる可能性のある未知の心理現象について検討する重要性を実感した。例えばクローン減価効果に関する知見は,将来アンドロイドやクローン技術や急速に発展した際に起こりうる問題を事前に先取りして得られたものである。また心理学の研究方法についても急速な変化が生じており,その方法論的前進は正負両側面を内包している。本研究はこうした大きな変化の中で実行され,その研究実践自身が変化に晒されただけに,これからの社会・学術両方へ意義ある提案をできる素地を形成することにつながったと考える。
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