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2019 年度 実施状況報告書

階層的規則性に対する認知の非対称性とその合理性

研究課題

研究課題/領域番号 18K12021
研究機関近畿大学

研究代表者

寺井 仁  近畿大学, 産業理工学部, 教授 (30397442)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード規則発見 / 階層性 / ライフゲーム
研究実績の概要

本年度は,創発現象に対する認知が規則発見に及ぼす影響について,実験的な検討を行った.実験では,局所規則(「下位規則」と呼ぶ)から大局的な創発現象(「上位規則」と呼ぶ)が現れる「ライフゲーム」(Conway's Game of Life)を対象に,現象の観察を通して,下位規則の発見を求めることを実験課題とした.具体的には,下位規則の探索において,上位規則への認知がどのような影響を及ぼすかについて検討した.本年度はこれに加えて,観察データにノイズが含まれない理想的な観察状況ではなく,観察データにノイズが含まれる場合の影響について検討した.実験では,上位規則の出現の有無をライフゲームの初期状態によって操作した.参加者はライフゲームの世代の変化を観察しながら,各セルの変化を決めている規則を発見することが求められた.参加者には,発見したと思った規則や気付いたことを任意のタイミングで報告(テキスト入力)することが求められた.実験の結果,上位規則が存在しない場合であっても,積極的に上位規則を見出す傾向にあることが明らかとなった.この結果は,これまでの研究の結果を追認するものであった.また,観察データにノイズが含まれる場合において,下位規則の発見に上位規則の存在が与える影響は認められなかった.なお,多くの参加者が下位規則の発見に至らなかったことから,観察データに含まれていた2.5%のノイズの存在が,下位規則の発見を困難にしていたことが示唆される.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

創発された大局的な規則性(上位規則)が,局所的な規則性(下位規則)の発見を促進する要因について,実験的な検討を進めた.本年度は特に,ノイズが観察データに含まれる状況において,上位規則の存在が下位規則の発見に果たす役割について検討を行った.しかしながら,観察データに含まれるノイズが,規則探索を困難にすることが明らかとなり,観察データに含まれるノイズの割合について,さらなる検討が必要になった.

今後の研究の推進方策

次年度は,当初の計画であるモデルベースでの検討と並行し,下位規則の発見を促す要因についての実験的な検討を進める予定である.具体的には,実験的介入の有無(観察のみ,観察+実験),反省的思考の促進の有無について検討を進める予定である.

次年度使用額が生じた理由

学会への参加回数が当初の予定を超えたため.
次年度は,学会への参加回数を調整する.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 創発現象への認知が規則発見に及ぼす影響2020

    • 著者名/発表者名
      寺井仁,日比野聖也,三輪和久
    • 学会等名
      ヒューマン情報処理研究会
  • [学会発表] 次善解から最善解への転換時の情報探索の変化2019

    • 著者名/発表者名
      二宮由樹,寺井仁,三輪和久
    • 学会等名
      日本認知科学会
  • [学会発表] 評価状況が因果的説明の選好に与える影響についての実験的検討2019

    • 著者名/発表者名
      下條朝也,三輪和久,寺井 仁
    • 学会等名
      日本認知科学会

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公開日: 2021-01-27  

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