研究課題/領域番号 |
18K12022
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研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
岩城 達也 駒澤大学, 文学部, 教授 (70341229)
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研究分担者 |
大窪 伸太郎 広島国際大学, 総合リハビリテーション学部, 講師 (00805682)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 自己身体認知 / 事象関連電位 / 自己と他者とモノ / 表情 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、入力された身体の視覚及び触覚情報が、内部モデルと矛盾した場合に「違和感」が発生することを明らかにし、その際の違和感の大きさおよび感じ方の質を検討し、違和感に対応した脳活動を探索することである。昨年度実験系を整備し、予備実験を行った2つの実験について、今年度は本実験を実施した。 実験(1)の「ミラーセラピー法に伴う違和感の検討」においては、実験結果をまとめることができた。また、追加の実験として、自分の手、他人の手、義手を刺激画像として、提示画像が自己のものかを判断する課題を実施した。この際の脳内情報処理過程を事象関連電位から記録し、分析を行った。N100成分や後期陽性成分において条件差が認められた。ただし、自己身体の弁別に用いられた情報、具体的には、肌の色合い、肌理、手の形態など要因が考えられ、それらの影響がはっきりしないため、これを探るための実験の準備を行った。 実験(2)の「表情のフィードバックに伴う違和感の検討」においては、喚起された感情状態と一致、または不一致な表情をつくる課題を実施し、感情に沿わない表情を作ったときの違和感を検討した。これも脳波を記録し、違和感が生じているタイミングの脳波を分析した。一部のデータはまだ分析中だが、前頭部のα帯域脳波の左右差モデルが違和感の生起する条件を説明できた。 今後は、分析途中のデータをまとめ論文化すると共に、総合考察を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画していた主要な実験については終了し、一部の分析を残しているものの、分析結果が出そろい考察を行った。その中で、再度検討すべき事柄などを整理している。
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今後の研究の推進方策 |
研究機関の所属変更に伴い、研究環境に変化があり、既存設備に付け足す必要のある実験機器等を調査した。当初予定してた機材に捕らわれず、研究支援の有効な謝金や委託費等を次年度に充当する方が研究計画に有効であると判断した。また、新型コロナウィルスにより、人を対象にした実験の実施が困難な状況にあるため、予定した実験のうち、一部の実験は省略し研究結果を総合考察する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の所属機関に変更が生じたために実験系の再整備が必要になった。実験の実施に支障はなかったが、実験と分析をつなぐためのシステムや一部不足が生じた物品を補充する。
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