研究課題
蛍光X線CT(X-ray Fluorescence Computed Tomography: XFCT)は,高感度な微量元素分析である蛍光X線分析技術と,着目する物理量の空間分布を得るための画像処理技術を組み合わせた複合技術である.XFCTは,造影剤を構成する着目元素を外部からX線で励起し,その際発生する蛍光X線を収集して3次元像を形成する.XFCTは,1 mm 以下の高い空間分解能,高い定量性,微量非放射性元素の3次元分布の可計測性などの特徴を有する.本研究では,効率的なデータ収集を実現するために,立体ビームを使用したマルチピンホール型XFCT(multi-pinhole XFCT: mp-XFCT)方式を提案し,実際の撮像システムを高エネルギー加速器研究機構ビームラインPFAR-NE7Aに構築した.本システムが,0.3 mmの空間分解能,高い定量性を有することを物理ファントムを用いた撮像実験により実証した.さらに,本システムを用いて,生体内部に分布する造影剤を描出可能であるかをin vitro実験により検証した.非放射性のヨウ素化合物N-isopropyl-4-iodoamphetamine(iofetamine)を投与後に摘出したマウス脳をmp-XFCTシステムを用いて計測した(iofetamineは局所脳血流診断用放射性薬剤であり,SPECTにより血流に関する脳機能情報を取得できる.iofetamineが含有する放射性ヨウ素を非放射性ヨウ素により置換したものを本実験では使用した).CT再構成を行った結果,脳全体に分布する非放射性iofetamineを3次元で描出することができた.XFCTを用いることで,iofetamineを通してマウス脳内血流に関する情報を取得できることがわかった.
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