本研究課題は脳室内の流体構造と繊毛運動の関係を理解する事によって水頭症の原因の一端を解明することである。本研究により、水頭症を発症するマウスでは、脳室内の内腕ダイニンの遺伝子の発現量が低下していることが明らかとなった。脳室繊毛の運動についてもその波形が野生型と比べ変化しており、脳脊髄液の流れに影響を及ぼしている可能性が示唆された。さらに、側脳室と第3脳室を結ぶモンロー孔付近の流れが脳脊髄液の効率的な側脳室からの排出に関与している可能性が示唆された。本課題によって水頭症の進行や発症原因の一端を理解することが出来、今後の新たな課題も見出すことが出来た。
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