研究課題/領域番号 |
18K12033
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
森松 賢順 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (70580934)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 静水圧 / 周期的圧力 / メカノバイオロジー / 圧力 |
研究実績の概要 |
組織や器官を構成する細胞は、ずり応力、圧力、伸展圧縮等の機械刺激を受容し、細胞自身や組織の機能維持に利用している。軟骨組織や歯周組織等は、歩行や咬合等の日常生活に伴った静水圧に常にさらされているが、これらの組織に存在する細胞の圧力に対する受容応答メカニズムの解明には未だ研究の余地がある。本研究計画では、周期的高圧負荷システムの開発および、開発した系を用いた細胞内情報伝達系の計測により、細胞の圧力受容応答機構の解明を提案する。 本年度は、昨年度に引き続き、開発した静水圧力負荷システムを用いた細胞の圧力受容応答の計測を実施した。20MPa以上においてヒト軟骨細胞内の転写因子の一つの核内輸送が観察され、阻害剤によるシグナル上流の圧力感受タンパクの探索を実施した。その結果、転写因子の核内輸送に関与する膜タンパク質を見出した。さらに、この膜タンパク質は、周期的圧力負荷条件と定常圧力条件では、異なる圧感受機構を持つことが分かった。今後、得られた結果を精査し、細胞の圧力受容応答シグナル伝達機構のモデルを提案する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
細胞に応じた圧力負荷システムの開発は完了し、圧力受容応答に関わるタンパク探索に成功したため。
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今後の研究の推進方策 |
構築したシステム下にて、更なる細胞動態の計測並びに解析を実施し、圧力依存性の解析を実施する。得られた結果を基に圧力受容応答シグナル伝達のメカニズムの提案を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は計測システムの作成にあたり、必要な経費の支出を行ったが、費用を抑えることができたため次年度使用が生じた。本年度は得られた結果をまとめ、主に学術論文の投稿や掲載の費用に使用する。
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