研究課題/領域番号 |
18K12035
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
岡上 裕介 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (50448388)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 人工股関節全置換術 / コンピューター支援手術 / デジタルアライメントガイド |
研究実績の概要 |
昨年度作製したカップ角度計測アプリケーション、携帯端末へのインストール、携帯端末が装着可能なアライメントガイドを用いて、人工股関節全置換術症例35例に対して手術を施行し、その精度について検討を行った。手術は、レーザーポインター付き角度可変式アライメントガイドを用いてカップ設置を行い、カップ設置後、カップホルダーのアタッチメントをアライメントガイドからスマートフォンホルダーに変更し、術中カップ設置角計測アプリにて、カップの設置角度を確認した。評価は、CT撮影により得られたDICOMデータを用い、解析用ソフトウェア(LEXI社製ZedHip)にて術後臼蓋側コンポーネントの外方開角、前方開角を計測し、3次元術前計画による目標角度との差を算出して行った。 カップ設置計測角度は側方開角40.3±2.6度、前方開角14.5±4.9度であり、目標角度と設置角度の誤差は、側方開角1.8±1.6度、前方開角2.8±2.5度であった。Lewinnekのセーフゾーン設置内に設置できている割合は、本法導入前が45例中33例(73%)、導入後が35例中34例(97%)であり有意にカップ設置精度は向上していた(p=0.0047)。 本結果を、第93回日本整形外科学術集会、第135回中部日本整形外科災害外科学会、第53回中国・四国整形外科学会にて発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、アプリケーションの作製、携帯端末へのインストール、携帯端末が装着可能なアライメントガイドは完成しており、臨床においての精度検証を行っている。平成31年度、令和2年度にて100症例での検証を当初予定しており、令和2年5月の段階で総症例は70例を超えており、予定通り本年度中に検証を終えることが可能と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
残りの症例での精度の検証終了後、英文での論文作成に取りかかる予定である。 35例をまとめた検討では、以前のアライメントガイドに比してカップの設置精度は有意に向上しており、本システムの有用性を国内外に発信することができると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
アプリケーションのアップデートを3月末に予定していたが、新しい携帯端末の発売が4月となったため、それに合わせる形で5月に時期がずれ込んだため、次年度使用額が発生した。 アップデートは5月に完成しており、その費用に使用する予定である。
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