研究課題/領域番号 |
18K12036
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉田 寛 九州大学, 数理学研究院, 准教授 (60401262)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | セグメント再生 / パターンマッチ / 対数周期 |
研究実績の概要 |
動物の肢を構成する複数の節(関節間)の長さの比率はダヴィンチの人体図で描かれているようにフィボナッチ比率とも黄金比率ともいわれている。しかし、どのようにそれらの比率が発生過程で形作られているのかは分かっていない。また、コオロギ脚などは切断されても、その先の関節も含めて再生できる(セグメント再生) 。一方、別々の節の中間部分をそれぞれ切断してそれらを接合すると癒着するだけで、その間にあった構造は再生しない場合がある。この現象は、肢の各部分に番号を割り振る、あるいは濃度勾配を仮定するなどの従前からのモデルでは説明できなかった。そこで本年度はセグメント再生などを再現すべく以下の3つを実施した。 ◯発生のシミュレート:前年度において設計した多変数多項式に対して細胞増殖を表す多項式を掛ける。複数回掛けることによって「発生」をシミュレートできる。ある程度の大きさの細胞群になったとき、ある位置で切断した。切断は単項式による単項簡約に対応させた。そして再び発生(成長)させた。 ◯セグメント再生のシミュレート:再生能力を調べるために上記で成長した細胞群の再帰性を測った。これには、パターンマッチングの度合いを測る Levenshtein 距離、あるいは記号計算などの代数的操作を用いた。 ○対数周期構造の仮定:節間の長さの比を黄金比にするため、対数周期な数式のアプローチを開始した。これは多細胞では当然のことながら細胞協働が重要になってくるためであり、協働からの崩壊現象を取り入れる為であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
セグメント再生をある程度再現できた。
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今後の研究の推進方策 |
○ 特殊比率(フィボナッチ数比率、黄金比率)をもつ肢の発生条件を導出する。 ○ガン化への道筋の解明:「溜まり」の視点から癌化への道筋を導出する。
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次年度使用額が生じた理由 |
ハードディスク媒体の新製品などを次年度購入するため。
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