研究課題/領域番号 |
18K12039
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
比嘉 昌 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (90375197)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | バイオメカニクス / 人工関節 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、工股関節手術中関節反力測定装置を設計・製作し関節反力を計測することである。これまで、人工肩関節にて同様の研究を行ってきたため、そこで得られた知識と技術を股関節に応用することで、整形外科医からの要求である手術中の関節反力を測定することを実現させる研究である。計測装置の設計・製作から実測までを目指す。 人工股関節は、現在日本国内で年間約8万例の症例数が報告されている (2018 Japan Arthroplasty Registry report)。しかし、同時に再手術も行われており、その原因は様々である。この再手術や術後の問題(脱臼や骨折など)を最小化せるために手術中に軟組織の張力を適切に設定することは重要である。その張力を数値化することが本研究である。特に、この軟組織の張力は脱臼に大きく関係していることを、我々の研究グループは発見し、以前に報告を行った。そのためこの張力を適切に設定することで、脱臼をある程度予防できるのではないかと考えている。 初年度は、実際の人工股関節を研究協力者から提供いただき、形状データを取得した。その形状に合致するよう力計測センサの設計を行った。構造の設計を先に行い、電子回路の設計が現在途中である。 本研究の達成目標は 1. 既存THAの3Dモデル取得。2. 既存THAの形状に合わせた関節反力測定装置の設計。3. 試作品作成。4. 実験室レベルで校正・強度評価・精度測定。そして実測であった。初年度は1.と2.の途中まで行ったこととなる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、最終的に実際の手術中に人工股関節の関節反力を計測することである。3年計画の1年目として、構造設計と回路設計をある程度まで行った。さらに研究協力者の整形外科医らとの打ち合わせも行い、今後の方針も固まりつつある。 しかし最も小さいサイズの人工関節にて設計を行う必要があり、回路基板も含めて人工関節の中に全てを含む必要があるため、電子回路の設計は可能な限り小型化が求められる。そのため回路設計に時間を要しているため、やや遅れているとした。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、構造設計と電子回路の設計を行う。回路設計に重点をおいて小型化と高精度化を目指す。体内で拾ってしまうノイズ対策が回路内にて必要であるため、そのような回路を設計する。 設計後、試作品を作成し、外科医との打ち合わせによりフィードバックを得る。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度は3Dプリンタ等の製作用備品を購入予定であったが、設計が遅れており製作に要する装置の購入は先送りとなったため。
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